- 親からの言葉の暴力は脳のネットワーク機能を下げ、精神疾患のリスクがあがる
- 子どもの人生の悩みのひとつに親からの言葉の暴力が考えられるが、それに気づきにくい
- 親からの言葉の暴力は普通の家庭でも、誰にでも起き得る
- 対処法として感情カウンセリングがおすすめ
親からの言葉の暴力は、子どもの心や脳に深刻な影響を与えることがわかっています。
親からの言葉の暴力というと、虐待やネグレクトなどの深刻な状況を想像しがちです。
しかし、言葉の暴力はごく普通の家庭でも程度の差はあるものの起きていると考えられます。
もし、今、理由はわからないけれど、何か気持ちが晴れない、生きづらいと感じているなら、子どもの頃に親から受けた言葉を振り返ってみる価値はあると思います。
親の言葉の暴力はどんな言葉?

親の言葉の暴力は、どんな言葉で子どもに投げられるのでしょうか。
次の言葉にドキッとしたなら、大人になるまでに親に言われたり、子育て中にわが子に言ってしまった体験があるのだと思います。
価値や能力を否定する言葉
- お前は役立たずだ
- 何を頼んでもまともにできない
- お前はダメな子だ
- お前は何もできない
- お前は人間じゃない
- お前はゴミだ
親から愛されていないと感じる言葉
- こんなことをするのはうちの子じゃない
- 望んだ子じゃなかった
- 産まなければよかった
- お前がいなければよかった
兄弟と比較されて劣っていると感じる言葉
- お兄(姉)ちゃんは良い子なのにあんたは…
- 弟(妹)と違ってダメだね
- お兄(姉)ちゃんなんだから我慢しなさい

子育てで、ああ、つい言ってしまっていました。
物事がうまくいかないイライラから子どもを責めて良くしようとか、我慢させて親の言う通りにさせようとかやっていました…。
でも、これって実は親や先生に言われていた言葉で、私自身言われて嫌だったものでもありました。
痛みや傷つきを感じる言葉
- ダメでしょ!
- 弱虫、臆病者
- 馬鹿じゃないの?
- なまけてばかり悪い子だ
- このくらいで泣いてどういうつもり?
恐怖や脅迫を感じる言葉
- 根性が腐っている
- どうしてできないの!
- 言うこと聞かないなら出ていけ!
- 悪い子に食べさせるご飯はない
- 何度言ったらわかるんだ、ちゃんとしろ!



幼稚園から小学校に上がるころ、姉とよく兄弟げんかをしていました。
その時は決まって「喧嘩ばかりするからよその家の子になれ」と怒られました。
途端にシュンとして喧嘩が止むから、親としては効果的な言葉だったのでしょう。
子ども心には「本当に親に捨てられる、そんなの嫌だ!」って怖かったし、悲しくて、泣きじゃくりながら親に許しを請うていました。
親の言葉の暴力は「普通の家庭」にも起こり得る
親の言葉は時によって子どもを傷つけ、子どもの人生に大きな影響を与えることがあります。
やっかいなのは、親自身にその自覚がないことです。



心の勉強を始めるまでは、しつけや教育に厳しい言葉を使うのは当たり前だと思っていましたし、それが言葉の暴力になるとは思ってもみませんでした。
普通の親が暴言を吐いてしまう理由
親の気持ちとしてはしつけや教育のつもりなのですが、その奥には、親自身が子どもの頃に親から暴言を吐かれた体験があるはずです。
子どもは良くも悪くも親を教科書に育ち、親を真似てしまいます。
子育ての中で、わが子の言動を通して、自身が親から受けた暴言による傷があぶり出されることがあります。
結果、自身が受けた暴言と同じ言葉が反応的に出てしまうのです。



この事を知ってしまったら、子どもに悪いことをしたという罪悪感が出て苦しくなりました。
気をつけようと思うのですが、また言ってしまうジレンマでイライラする悪循環がよくありました。
子どもによって親の言葉に対する感じ方が異なる
同じ言葉であっても、子どもによってとらえ方は違います。
親の言葉を子どもがどう受け取るかは、その子どもの主観という面があります。
兄弟を同じように育てても、性格や考え方が同じではありませんね。
繊細さんなのか、大らかさんなのか。
生まれ持った性質によるものなのかもしれません。
親の言葉の暴力が子どもに与える影響
脳に与える影響


最新の研究結果がNHK「クローズアップ現代」2023年7月11日放送で取り上げられました。
アメリカ・ハーバード大学の医学部精神医学の助教授で、子どもの脳について研究をしている大橋恭子さんは、親からの体罰やネグレクトなど子どもに悪影響を及ぼす10 種類の行為を受けた数百人(18~25歳男女)の脳の画像を解析しました。
NHK 最新の研究から見えてきた 親の言葉の“リスク”と“可能性”
(中略)
大橋さんの研究では、脳のネットワーク機能への影響は親からの「言葉の暴力」を受けた人が特に深刻だったことが示されました。
ネットワーク機能は脳のいろんな部位のはたらきを連携させます。
もし、脳の一部に異常が起きたとしても、ネットワーク機能のおかげで脳はうまく働き続けることができます。
言葉の暴力を受けた人は、脳のネットワーク機能が大きく低下してしまいます。
心に与える影響
子どもが大人になるまでの間、生きていくために最も必要なのは「親に愛される」ことです。
生まれたての赤ちゃんは親なしでは生きられません。自立するまで、何らかの保護がないと生きられないのです。
だから、子どもは親の顔色を見、親の意向や価値観に従うことをします。
「親から愛される」ためにそうするのですが、それは自分を我慢し続ける生き方でもあります。
ひと言でいうと、
言葉の暴力を受けた人は自己否定が強くなります。
人生に与えるネガティブな影響


親の言葉がバネになって頑張って結果が出る場合もあります。
しかし、頑張り続けることになりいつしか疲弊してしまうことも起きてきます。
- どう生きたらいいかわからない
- カッとなって人に暴言を吐いてしまう
- 自分を信じられない、信頼できない
- 自分はダメ人間だと思う
- 心からの幸せを感じられない
- パートナーとうまくいかない
- 孤独を感じる
- いつもモヤモヤイライラする
- お金がすべてだと思う
親の言葉の暴力の対処法「感情カウンセリング」
第一歩は自分の気持ちを認めること
子どもの頃、「親に愛される」ことで自分を守ろうとしていたことがあったのではないかと疑問を持ってみましょう。
思い当たったのなら、その時の自分の本当の気持ちを認めることが第一歩です。
自分の気持ちを認めることで、自分は傷ついているんだという現実を受け入れることができます。
そして、その気持ちに向き合うことで、自分が本当に望むことや必要なことが見えてきます。
抱えきれない想いは誰かに話す
言葉の暴力を受けた人は、信頼できる人に相談することも大切です。
相談することで、自分の気持ちを共感してもらったり、客観的な意見やアドバイスをもらったりすることができます。
それは、自分ひとりで抱え込むよりもずっと楽になることです。
気持ちに向き合う感情カウンセリング


感情カウンセリングでは、直接的なアドバイスではなく、依頼者の気持ちや悩みに寄り添って話をお聴きすることを重視しています。
特に感情にフォーカスし、自分らしく生きる力を取り戻すために以下のことを目指します。
- 自分の気持ちや考え方を整理する
- 自分の価値観や目標を見つける
- 自己肯定感や自信を高める
- ストレスや不安を軽減する
- 人間関係やコミュニケーション能力を向上させる
- 問題解決能力や行動変容能力を身につける


感情カウンセリングを受けるにはどうすればよいか?
感情カウンセリングを受けるには、まず自分がカウンセリングを受けたいと思うことが大切です。
自分がカウンセリングを受けたいと思った時が、カウンセリングを始める最適なタイミング。
受けるのが恥ずかしいとか、こんな悩みでいいのかなど思わなくても大丈夫です。
思いつくままにお話しくださって大丈夫です。
秘密も守られます。
安心してご依頼ください。
まとめ:ひょっとしたら私も…と思う方へ
親からの言葉の暴力は、子どもの心だけでなく、脳にも深刻な影響を与えることが最新の研究で明らかになっています。
言葉の暴力を受けた子どもは、心と体に影響を受け、大人になってからの生きづらさにつながっています。
親からの言葉の暴力は「普通の家庭」でも起き得るものです。
心当たりのある人は、まず自分の気持ちを認めてあげることと、信頼できる人に相談することが大切です。
感情カウンセリングは、傷ついた自分と向き合い、自分らしく生きる力を取り戻すのに有効な手段と考えます。
あなたも一度試してみませんか?
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