夫への怒りから“心の専門家”へ

カウンセラー/ヒーラー として活動するようになった背景には、ひとつの大きな転機がありました。

それは「理想の家庭」を手にしたはずの私が、ある日その土台の揺らぎに直面したことです。

幸せなはずの家庭で、私は迷子になった

大阪市生まれの60代。
今は大阪と地方の二拠点生活で、自然にも人にも助けられながら過ごしています。

夫とは、趣味仲間だった義父に紹介されて出会いました。
初めてすれ違った廊下で「この人だ」と直感したのを今も鮮明に覚えています。

良妻賢母を目指し、義実家との関係も円満。
外から見れば順風満帆だったし、私自身もそう思っていました。
ところが、三人目の妊娠をきっかけにそのバランスが崩れはじめたのです。

心をすり減らす日々の中で

第三子は妊娠初期から出産まで安静が必要でした。

家で横になっている私を見て夫はあからさまに不機嫌な顔をしました。
会話は減り、代わりに増えたのは言い争い。
やがて「義母とふたりで旅行に行く」と言われた時、私はもう、何を信じればいいのか分かりませんでした。

悲しみと怒りで自分を見失ったあの日々。
つらさを我慢するだけでは、誰も幸せになれないと気づかされました。

自分を取り戻すための旅の始まり

第三子が2歳になった頃、「何か打ち込めるものがなければ、生きていけない」と強く思いました。

スピリチュアル、自己啓発、心理学──自分を知るためにできることはすべて試しました。
そうして出会ったのが、感情を丁寧に扱うカウンセリングや、インナーチャイルドを癒やすヒーリングでした。

学びの中で、私はこう確信しました。

「相手を変えようとしても、苦しみはなくならない。自分の内側を見つめることが、すべての始まりだ」

自分と向き合えば、夫婦関係も変わる

感情を抱きしめ、本音に耳を傾けることで、夫との関係にも変化が現れました。距離を取りすぎず、近づきすぎない。心地よいバランスでいられるようになったのです。

今では、多くの方の夫婦関係や感情の悩みに寄り添いながら、カウンセリングを行っています。

夫婦コミュニケーションの3つの悩み

自分自身の振り返りと、カウンセラーとしての経験から夫婦関係のつまずきは次の3つのパターンが考えられます。

当てはまるものはあるでしょうか。

1. 話せば話すほど、すれ違う――コミュニケーションがうまくいかない

「なんでそんな言い方するの?」
「どうして私の気持ちがわからないの?」

伝えたいことがあるのに、うまく言葉にならなかったり、伝えたはずなのに真逆の受け取り方をされたり。

相手が自分のことをわかってくれないもどかしさが積み重なって、話すたびにケンカになり、話さないほうがマシと感じてしまう。

私だけでなく、実はこのパターン、多くの夫婦が陥ります。
「本当はわかってほしい」「もっと話し合いたい」という気持ちがあるのに、それが相手に届かない。
すると、誤解が重なり、感情がこじれ、「話す=疲れること」になってしまうのです。

ポイントは、話し方やタイミングではなく、感情の背景にあるニーズに気づくこと。
自分が本当に伝えたかったことは何なのか?
たとえば「もっと手伝って」と言いたい裏にあるのは、「一人で頑張ってつらい」かもしれません。

まずは自分の本音に気づくこと。そこから、関係がほぐれ始めます。

2. 距離が近すぎる、遠すぎる――パートナーとの境界線がない

「何を考えてるのかわからない」
「私ばかり我慢してる気がする」
「夫がいないと不安で落ち着かない」

こうした悩みは、パートナーとの“心の境界線”があいまいな状態で起こります。

たとえば、相手の気分に左右されて自分まで落ち込んでしまったり、相手が何を考えているか気になって仕方なかったり。
また、逆に相手に干渉しすぎて「重い」「自由がない」と言われてしまうことも。

このパターンの背景には、自分より相手を優先してしまうクセがあります。
「相手に嫌われたくない」「見捨てられたくない」そんな不安から、つい無理をしてしまい、境界が曖昧になっていくのです。

でも、本来パートナーであっても、自分と相手は別の人間
適切な境界を保つことは、冷たくすることではなく、お互いが尊重される関係を築くための土台です。

まずは、「自分がどう感じているか」を大切にすることから始めるといいですね。

3. こんなはずじゃなかった――期待と現実のギャップ

「もっと優しくしてくれると思ってた」
「もっと夫婦らしく過ごせると思ってた」
「私はここまで頑張ってるのに、なんで?」

理想の結婚、理想の夫、理想の家族――
気づかないうちに心に描いていた“期待”が、現実とズレていくことで、不満やイライラが募っていくのがこのパターンです。

しかも厄介なのは、その期待が口に出して伝えたものではないことが多い点。
「言わなくても察してくれるはず」「普通はこうでしょ」という思いがあるため、相手に悪気がなくてもどんどん心が離れていきます。

このギャップに気づかないまま生活を続けると、「私ばかりが我慢してる」という感覚が強くなり、感情が爆発しやすくなります。

でも、ここで必要なのは「相手を責めること」ではありません。
まず、「私は何を期待していたのか?」に気づくこと。
そして、それをどうして欲しかったのか、自分の気持ちに寄り添ってあげること。

そうすることで、相手に求めすぎる苦しさから解放されていきます。

私から貴女へのメッセージ

もしあなたが、夫婦関係に疲れたり、自分を見失いそうになっているなら、
それは「心が変化の準備を始めたサイン」かもしれません。

私はその心の声を、あなたと一緒にていねいに聞いていきたいと思っています。

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