同窓会への全員出席はとても稀で、欠席者が一定数いるのが一般的です。
幹事をしていると、心から同窓会を楽しみにしている人から、もう学校とは関わりたくないと望む人までさまざまな意見を持つ同級生に出会います。
しぶしぶ参加したという人もいるでしょう。
同窓会への想いは本当に人それぞれです。
ここでは、同窓会を欠席する理由と丁寧な断り方について詳しく説明します。
同窓会の出席率はどれくらい?
同窓会は大規模なものから少人数での集まり、オンラインまで様々な形態がありますが、同窓会を楽しみにする人もいればそうでない人もいます。
出席する気がないにも関わらず、出席を強いられているような状況で悩む人も少なくありません。
では、どれほどの人々が同窓会を欠席しているのでしょうか。
欠席する人が意外に多い
年齢が上がるにつれて、同窓会を欠席する人が増える傾向があります。
仕事や子育てが忙しく時間が取れない、現在の人間関係を重視したいといった理由からです。
同窓会に絶対に出席しなければならないわけではないため、魅力を感じない場合は様々な理由を挙げて辞退することも可能です。
SNSで同級生の近況を知ることができる現代では、同窓会に出席しても新鮮さを感じないという人もいます。
幹事で体験した欠席率
50歳の節目に、一学年約500人の高校の学年同窓会の幹事を務めました。
欠席率は約7割でした。
出席率約3割はよく集まったという印象でした。
ちなみに、出席率アップのために気をつけたことは次の通りです。
- 消息不明者の掘り起こし
- 帰省のしやすい日程
- 参加しやすい時期、気候
- 行きたいと思える会場
- 参加しやすい会費
逆にいうと、
- スケジュールが合うか
- 開催の時期は出かけやすいか
- 地元から離れているか
- お金の負担感
などが、欠席の理由になり得ます。
次の章では、同窓会を欠席する人の心理的な特徴を深掘りし、欠席の理由をあげていきます。
同窓会を欠席する人の心理特徴と理由
同窓会に必ず出席するという人がいる一方で、欠席する人もいます。
中には、自宅近くで開催されていても、気軽なオンラインでも一度も参加したことがない人もいるでしょう。
「同窓会が待ち遠しい」と感じる人にとって、欠席する人の気持ちは理解しがたいかもしれません。
では、なぜ多くの人が欠席するのでしょうか。
欠席の理由1. 忙しくてスケジュールが合わない
卒業後の進路はさまざまで、ライフスタイルも違ってきます。
年齢が上がるにつれ、キャリアがアップして役職がつき、より忙しくなる人もいます。
独身から結婚へ、結婚から子育てへと家族が増えた人もいるでしょう。
さらには親の介護が視野に入っている人も。
日々やらなければいけないことに追われていると
- ひとりの自由な時間を見出すのも難しい
- 何があるかわからず予定が決められない
となってしまいます。
同窓会へ行こうという意欲も自然と失われがちです。
欠席の理由2. 地元から離れて住んでいる
対面の同窓会は、通常、卒業した学校の近辺で開催されます。
地元を離れて遠方に住んでいる場合、参加意欲があっても交通費の増加がネックとなり、参加を断念する人もいます。
費用の面で問題がある場合、無理に参加を促すことはできません。
「なかなか会えないからこそ再会したい」という人もいますが、会場までの距離が決め手となることもあります。
飛行機や船を利用しなければならない場合、旅費は大きくなります。
現住所が遠いほど、同窓会への参加率は低くなる傾向にあります。
欠席の理由3. 面倒に感じる
単純に面倒くさいと感じる
同窓会に出席するためには、仕事や予定の調整、場合によっては新しい服の購入、美容院の予約などの準備が必要になります。
自分都合の他に家族の都合や予定も調整しなければなりません。
同窓会に時間を割くメリットが十分に感じられないとこれらの準備を面倒だと感じて、参加をためらうことがあります。
わざわざ行く気になれない面倒くささ
長い間会っていない友人と話すことはあるのか?
自分のことを覚えている人は来るのか?
といった不安から気疲れして面倒に感じる人もいるでしょう。
学生時代の人間関係はさまざまで、学校外の友人と仲が良かったり、大人になってからの友人との方が関係が深かったりすることもあります。
多くの同級生がいても、全員と同じように親しいわけではありません。
中には、ほとんど話したことがなく、印象に残っていない人もいるでしょう。
特に親しい友達がいなかったクラスの人にとっては、共通の話題も見い出せず、わざわざ会う気になれないこともあるでしょう。
欠席の理由4. 自分に自信がない
同窓会では、避けて通れない「近況報告」の機会があります。
久しぶりに再会したら、自然とお互いの近況を尋ねあうものです。
しかし、自分に自信がない場合、他人に自分の状況を話したくないと感じる人もいるでしょう。
例えば、周囲の同級生が結婚して家庭を持っている一方で独身の人は、自分を寂しく感じることがあるかもしれません。
また、仕事で苦労している人は、成功している友人を羨ましく思い、その場にいるのが辛くなることもあります。
外見の変化も、例えば学生時代より太ってしまった場合など、昔の自分と比べて自信をなくす原因になります。
時間が経つにつれて、状況や外見が変わるのは自然なことです。
本来、そこまで気にする必要はないのですが、現在の自分にコンプレックスを感じ、他人に評価されるのではないかと思うと、同窓会への参加が気が進まなくなりがちです。
欠席の理由5. 以前の参加が楽しくなかった
若い世代の場合、初めての同窓会参加もあるでしょうが、年齢を重ねると何度も同窓会に参加する機会が増えます。
最初は新鮮だったものの、何度も繰り返すうちに参加する意味を見失うことがあります。
過去に同窓会に参加して楽しくなかった場合、次回以降の参加をためらう人も少なくありません。
同窓会で良い思い出がある人は、次回も積極的に参加しますが、つまらなかった経験があると、時間やお金を無駄にすると感じて消極的になることがあります。
また、久しぶりに同窓生に会って自信をなくしたり、落ち込んだりするのを避けたいという理由で、学生時代の思い出を美化しておきたいと考え、参加しない選択をする人もいます。
欠席の理由6. 会いたくない人がいる
学校生活でなじめなかったり、人間関係で悩んだ経験がある人は、学生時代に苦手だった人と再会することを望まないでしょう。
過去の辛い記憶を思い出したい人はほとんどいないはずです。
同窓会で会いたくない人がいる場合、参加を避けるのは当然のことです。
例えば、過去に喧嘩別れした人や、同級生と結婚したがうまくいかずに離婚した場合など、顔を合わせることが苦痛だと感じて、同窓会への参加を避けることがあります。
欠席の理由7. 親しい友人とは定期的に会う
卒業後も時間が経っているにもかかわらず、親しい友人とは定期的に交流を続けている人が多いです。
「学生時代の友人と頻繁に交流している」という場合、わざわざ同窓会に参加する必要性を感じない人もいるでしょう。
以前はそれほど親しくなかった人との再会で新たな共通点が見つかることもあるかもしれませんが、それを期待するよりも参加を避けたい気持ちの方が強いと、現状維持を選ぶことになります。
部活動やサークルで異なる学年やクラスの人と交流が多かった場合、親しかった人たちに再会できないので、参加する意味を見いだせないと感じることがあります。
同窓会に出席するデメリット
同窓会への参加を検討している際、事前にデメリットを把握しておくと、参加に対する覚悟が固まるかもしれません。
参加によって生じるデメリットを確認しましょう。
上下関係を避けたい
同窓会を敬遠する人の中には、上下関係が強調されることに嫌悪感を持つ人もいます。
上下関係とは、「自分が他者よりも優れている」と示す行動のことを指します。
全員がそうではありませんが、一部の人は自分の主観で「勝ち組」「負け組」といったラベルを貼り、優劣を決めようとする傾向があります。
人の幸せはその人自身が感じるものであり、他人が一方的に決めるものではありません。
自分が直接対象でなくても、他人が上下関係を強調する様子を見て不快に感じることがあります。
同窓会では、必ずしも自分の現状を正直に報告する必要はありませんが、不自然な言動は疑われやすく、居心地の悪さを感じることもあるでしょう。
酔っ払いに悩まされる
同窓会ではお酒が欠かせませんが、懐かしい話題で盛り上がるうちに、つい飲み過ぎてしまう人もいます。
同窓会自体は好きでも、お酒を飲む場が苦手な場合、参加するメリットを感じにくいです。
特に直接的な同窓会では、自分が世話をする側になったり、迷惑をかけられたりすることを考えると、参加を躊躇する人が多いでしょう。
しつこく絡んでくる人や、ネガティブな感情をぶつけられることで、楽しむことができない人もいます。
酔っ払いに囲まれるデメリットが魅力を上回る場合、参加を見送るのは妥当な選択です。
同窓会に出席するメリット
同窓会に参加することは、必ずしもマイナスばかりではありません。
良い面に目を向けると、参加する価値が見つかるかもしれません。
同窓会に参加するメリットを見てみましょう。
懐かしい友人と再会するチャンス
同窓会は、普段は会う機会がない懐かしい友人と再会できる絶好の機会です。
「もう一度会いたい」と思う人がいれば、同窓会に参加するメリットは大きいと言えます。
気になる友人の近況や、以前連絡先を交換しなかったことを後悔している友人と再会できる可能性があります。
会話を楽しむうちに、昔の楽しい思い出がよみがえり、学生時代にタイムスリップしたような気分になれます。
就職や進学で故郷を離れた後、友人との交流を望んでいたができなかった場合、同窓会は新たな交流の機会となり、友情の再燃にもつながるでしょう。
新しい視点での交流のチャンス
学生時代は若さゆえに、特定の友人との交流に偏っていたことがあるかもしれません。
「もっと多くの人と交流しておけばよかった」という後悔があるなら、同窓会に参加することにメリットがあります。
社会人として経験を積むことで、視野が広がることがよくあります。以前は合わないと思っていた友人とも、成熟した関係を築き、会話を楽しむことができるようになることもあります。
学生時代の友人と新しい視点で交流することで、自分自身の現状を見直すきっかけになることがあります。
様々な分野で頑張っている同級生の話を聞くと、刺激を受けて自分も前向きになれるでしょう。
新しい友人関係が生まれるかも
同窓会に参加することで新しい友人関係が生まれる可能性も、魅力の一つです。
時間が経つにつれ、人の興味や好みは変わるものです。
社会人としてさまざまな人と接する中で、学生時代とは違うタイプの人たちとの出会いが増えることはよくあります。
時間が経つにつれて考え方が変わり、以前はそれほど親しくなかった人とも良い関係を築けるようになることがあります。
以前はあまり親しくなかった人との交流を通じて、予想外のつながりや共通の興味を見つけ、ビジネスや趣味でのつながりを得られることもあります。
無理なく断る方法
どうしても同窓会に参加できない場合、無理に出席する必要はありません。
しかし、断る理由を見つけるのに苦労することもあるかもしれません。
率直に本音を伝えると相手を不快にさせる可能性もあります。
同窓会を断るのが苦手な人に向けて、無理なく断る方法を紹介します。
仕事が忙しいことを理由に
仕事が忙しいことを理由に同窓会に参加できないと伝えるのは、よくある対応です。
仕事の忙しさについては多くの人が共感できます。
社会人であれば、忙しさを理由に交流を断った経験があるはずです。
大人として、時には仕事を優先しなければならないことを理解しています。
「重要なプロジェクトに取り組んでいる」「人手不足で休むことができない」などの理由を挙げれば、たいていの場合、理解してもらえるでしょう。
他の予定がある
あらかじめ他の予定を入れておくことで、同窓会を断る理由にすることもできます。
人生において、同窓会が唯一のイベントではありません。
親しい友人の結婚式や、長期間計画していた旅行など、断る理由はいくつでもあります。
詳細な説明をする必要はなく、「避けられない用事がある」と簡潔に伝えるのが良いでしょう。
ただし、「予定を変更できるなら参加してほしい」と言われることもあるかもしれません。
そういった場合に備えて、詳細な説明を求められたときのために、事前に理由を用意しておくと安心です。
家庭の事情
同窓会への参加よりも、家庭の事情を優先しなければならない場合があります。
世話をする必要がある家族がいる場合は、どうしても参加が難しいことがあるでしょう。
子どもの学校行事や家族の健康上の問題を理由に断ると、理解されやすいです。
年月が経つにつれて家庭の事情が変わるのは自然なことです。
健康上の理由
仕事や家族の事情で断りにくい場合は、自分の健康問題を理由に断るという選択肢もあります。
「実は健康上の問題があって、詳細は伏せたい」と述べることで、具体的な病状を明かさずに済みます。
「個人的な情報なので詳しく話せない」とすることで、相手に深く詮索されることは避けられます。
直前になって体調不良を理由にキャンセルする方法もありますが、主催者に迷惑がかかるため、できるだけ早めに断ることをお勧めします。
まとめ:同窓会のメリットとデメリット、あなたはどっち?
同窓会に参加するかどうかは個人の判断によりますが、参加を見送る理由としては以下の点が挙げられます。
- 自信の欠如:自分の現状に自信がないと、他人に自分の状況を話したくない気持ちが強い。
- 手間がかかると感じる:仕事や趣味に忙しい場合、同窓会への時間を費やす価値を感じにくい。
- 避けたい人が存在する:学校生活でなじめなかったり、人間関係で悩んだ経験があると、同窓会でその人と再会したくない気持ちが強い。
- 予定が重なっている:他の重要なイベントや予定がある場合。
- 家庭の事情:家族の世話や健康上の問題がある場合。
- 健康上の理由:自分の健康問題を理由に断ることも。
一方で、同窓会に参加するメリットとしては、懐かしい友人と再会できるチャンスがあることや、新しい視点での交流ができる可能性があることが挙げられます。
結局のところ、同窓会への参加は個々人の状況や感情によって異なるため、自分にとってベストな選択をすることが重要です。
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