嫌なことから逃げるのは悪いわけではない。賢い選択のための5つの判断基準

人生は楽しいことばかりではありません。

時には辛い出来事にも直面することがあります。

困難な状況に遭遇したとき、戦うべきか退くべきか、どちらが適切か判断に迷うこともあるでしょう。

逃げることを選んだ場合、批判されることもありますが、逆に耐え続けた場合は精神的に大きなダメージを受けることもあります。

この記事では、困難な状況に直面したときに逃げるべきか戦うべきかの判断基準と、それぞれの注意点を解説します。

この記事の目次

困難に耐え続けた結果とは?

「困難は乗り越えなければならない」と教えられて育った人も多いでしょう。

しかし、常に立ち向かって良い結果が得られるわけではなく、場合によっては状況が悪化することもあります。

そのような場合のデメリットを説明します。

結果1. ストレスの蓄積

困難に直面することは必要な場合もありますが、無理して辛い状況に耐え続けるとストレスが蓄積し、ついには耐えられなくなることもあります。

ストレスが限界を超えたら、修復不能な状態に陥ることがあるため、自分の限界を知り、そのラインを超えそうになったら退くことも考慮に入れましょう。

結果2. 生活の質の低下

困難に立ち向かうことは戦場にいるような緊張を強いられ、常に息苦しさを感じることになります。

このような状態が続けば、ネガティブな思考が強まり、日常生活が楽しめなくなる可能性があります。

困難に立ち向かうことも重要ですが、自分の精神的な健康と生活の質を維持するためのバランスを考えることが大切です。

避けたくなる状況の一般的な心理反応とは?

「困難には立ち向かうべき」という考えがある一方で、避けたいと感じるのは人間の自然な反応です。

このセクションでは、そう感じる人々の心理を探ります。

「なぜ避けたくなるのか、自分でもよく分からない」と感じる人は、以下の理由を参考に自分の感情を理解してみましょう。

心理1. 不快な状況を避けたい

不快な状況には自分が直接関わっている場合とそうでない場合があります。

ストレスを感じる状況に自ら身を置きたくないと思うのは当然の感情です。

関与しなくて良い、または回避可能な事態ならば、関わらない選択をしたくなるのが普通です。

このような自己防衛は、単なる甘えではなく本能的な防衛反応です。

心理2. 他の活動に集中したい

日常では様々なことに取り組む必要があります。

優先したい他の活動がある中で、不快な事態が集中力を奪うことがあります。

不快なことが頭を離れず、他の活動に集中できないとき、その状況から逃れたいと感じるのは自然なことです。

心理3. 責任を避けたい

何か問題が起こった際に、自分が責任を問われることへの恐れから、逃れたいと感じるのは普通の反応です。

責任感が重くのしかかり、そのプレッシャーから逃れたくなる心理が働きます。

例えば、重要なプロジェクトのリーダーに指名された場合、その重大な責任から逃れたいと思うのは一般的な感じ方です。

心理4. 自信の欠如

自信の不足が逃避行動と強く関連しています。

自信がないと、自分に対する期待をプレッシャーと感じ、それが逃げ出したい衝動を引き起こします。

「自分には無理かもしれない」という不安が自分を悩ませると、期待されることが負担になり、責任ある役割から逃れたくなります。

嫌なことから逃げると何が悪い?どう判断すべきか?

嫌なことから逃げると一時的には楽になることがありますが、それには何かを犠牲にすることも伴います。

得るものと失うものを考え、その場その場でしっかりと判断することが必要です。

ここでは、逃げるべきか否かを決める際の考慮すべきポイントを紹介します。

判断1. 逃げることで成長が止まるかどうか

人は挑戦と努力を通じて成長します。

困難な状況を克服することが必要な場面もありますが、常にすべての困難に立ち向かう必要はありません。

障害となる事象が進路上に現れた場合、その障害が本当に克服すべきかどうかを考慮することが大切です。

判断2. 批判に耐えられるかどうか

嫌なことから逃げる際には、場合によっては責任放棄と見なされ非難されることもあります。

逃げることで他人に迷惑をかけるかもしれない状況では、批判と逃げることのメリットを比較検討することが重要です。

自分が耐えられないと判断した場合は、余計なことを考えずに一時的に距離を置くことで、状況を冷静に見直す時間を持つことが大切です。

判断3. 続けることのメリットは自分にとって価値があるかどうか

困難を伴う場合でも、継続することで得られるメリットが大きければ、その努力は無駄ではありません。

続けることによって得られる顕著な利益があれば、苦労も報われることでしょう。

それが給料の増加であれ、スキルの向上であれ、メリットは様々です。限られた時間やエネルギーを考慮した上で、何が本当に価値があるかを冷静に判断することが大切です。

判断4. 嫌だと決めつけずに試してみているか

苦手だと感じていることも、実際に挑戦してみると思いのほか乗り越えられることがあります。

未経験のことに対する不安から、試す前に逃げ出してしまうと、大切な機会を失うことになります。

「本当に自分に向いていないのか」としっかり考え、価値あるチャンスを見逃さないようにしましょう。

判断5. 本当に逃げ出すべきかどうか

「逃げ出したい」と思うこともありますが、落ち着いて考えると「続けたほうがいい」と感じることの方が多いかもしれません。

例えば転職を考えたとき、厳しい職場環境に嫌気がさして「もう辞めてやる」と決意することもありますが、時間が経つと転職のリスクや労力を考慮し「もう少し頑張ってみるべき」と考え直すことがあります。

衝動的に決めずに、続けることと逃げることをじっくり比較検討することが重要です。

逃げることが必ずしも悪いわけではない?嫌なことから逃げる際の考慮点

嫌なことから逃げることは必ずしも間違いではありませんが、逃げ方次第では、その後の行動が将来に大きな影響を及ぼすことがあります。

このセクションでは、困難から退く際に注意すべき点を詳しく説明します。

注意点1. すぐに辞めない

何かをすぐに放棄すると、それが自分に本当に合っているかどうか判断するチャンスを逃してしまいます。

職人の世界でさえ、長い修行期間が必要ですが、ある程度の期間続けてみないと、その価値や自分に合っているかを評価することは難しいです。

すぐに諦める癖がつくと、他の活動や取り組みも持続するのが難しくなります。

じっくり考えてから、本当に辞めるべきか決めましょう。

注意点2. 自分を責めすぎない

困難を避けて逃げる選択をしても、自分を責めることは避けるべきです。

自分に足りない点や甘えがあるかもしれませんが、自分なりに努力したのであれば、それを認めて自分を許すことが重要です。

適度に反省することは必要ですが、自分を過度に責めず、気持ちを切り替えることが大切です。

注意点3. 失敗を活かす

失敗を忘れるのは簡単ですが、同じ状況に再び遭遇する可能性もあります。

失敗を無駄にしないためにも、今回の経験を教訓として活かし、同じ間違いを繰り返さないようにしましょう。

困難から解放されると気持ちが楽になりますが、その経験を次に生かすことで、さらに成長することができます。

困難に対する対処法

逃げたいと思う気持ちがある一方で、立ち向かわなければならない状況もあります。

そんな時、どのように困難に効果的に対処し、前向きに進むかの方法をご紹介します。

対処法1. 最悪のシナリオを想定する

人は未知のことに対して敏感です。

問題が何であるかを具体的に理解し整理することで、恐怖を減らすことができます。

最悪の事態を想像することにより、不確実性による恐怖を取り除き、精神的な負担を軽減することができます。

この方法で問題を客観的に見て考えることが、困難に立ち向かう姿勢を改善します。

対処法2. 没頭して感情を忘れる

何かに深く没頭すると、「気づいたら時間が過ぎていた」という経験は多くの人が持っています。

楽しいことでも、辛いことでも、集中しているときは感情が薄れます。

この集中力を使って、不快な感情を意識しないようにすることは、困難に対処する有効な方法です。

集中することで、問題に慣れ、終わっていることに後で気づくこともあります。

対処法3. 明確な目標を設定する

不快なタスクや苦手な作業に取り組む前に、具体的な目標を立てましょう。

目標は金銭的なものでも、学業成績の向上でも構いません。

困難を乗り越えるために、その目標を達成することを自分自身に誓います。

目標が決まったら、その目標に向かって行動し、直面している困難を目標達成の過程の一部と割り切りましょう。

対処法4. サポートを求める

困難に直面した際、一人で解決しようとせず、周囲のサポートを得ましょう。

家族、友人、同僚など、助けを提供してくれる人は身近にいます。

これらの人々からの支援を求めることは、問題を前向きに解決するために非常に重要です。

まとめ:困難や逆境に直面したとき、本当に退くべきかどうかを検討しよう

困難に直面すると、精神的に追い詰められ、すぐに全てを手放したくなることがあります。時には全てを放り投げて逃げ出したくなるような状況にも遭遇するかもしれません。

しかし、危機は成長のチャンスをもたらすこともありますから、どのように対応すべきかを冷静に判断することが重要です。

この記事で紹介したポイントを参考にすれば、困難な状況に遭遇した際に、どのように行動するのが最適かを冷静に考える助けになるはずです。

落ち着いて状況を評価することで、適切な解決策を見つけることができます。だからこそ、混乱することなくじっくりと考える時間を持つことが大切です。

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この記事を書いた人

カウンセリング、リーディング、ヒーリング
薬剤師(漢方・薬膳に精通)

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルド、感情などの心の問題に向き合うことで状況を克服。
今では心と感情の専門家として、サービス提供をしている。

ミッションは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻した人を増やすこと。

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