- 諏訪大社は諏訪湖を挟んで4つのお宮がある珍しい神社
- 参拝の順番に決まりはなし。でもおすすめルートあり
- 車での所要時間は3時間(駆け足なら2時間半も可能)
- 御朱印の豆知識や記念品にまつわるトリビアも紹介
子どもの頃から地縁をいただき、諏訪大社とのご縁は50年近くなりました。
諏訪大社は縁結びで有名な出雲大社と関係が深く、諏訪湖をはさんだ四つのお社で「諏訪大社」というとても珍しい形態です。
数えで7年に一度(満6年に一度)の御柱祭は勇壮な祭りとして知られています。
4つのお社を参拝して御朱印をいただくと、最後のお社で記念品がいただけます。
この記事では、諏訪大社四社の回り方、御朱印と記念品をご紹介します。
諏訪大社は諏訪湖の南北に4つのお社
諏訪大社は日本全国あちらこちらにある諏訪神社の総本社です。
諏訪神社の頂点にある神社です。
社格は信濃國一之宮(しなののくにいちのみや)で、信濃國を代表する大きな神社です。
諏訪湖を南北にはさんで「上社と下社」の二社があります。
諏訪湖は日本のへそとも呼ばれています。
上社と下社にそれぞれ2つのお宮があって、計4つのお宮「前宮、本宮、春宮、秋宮」からなります。
二社四宮の形はとても珍しいものです。
諏訪大社参拝は、この4つのお宮の名前と位置関係を頭に入れることから始まります。
四社の名称 | 所在地 | JR最寄り駅 | 最寄りインター |
---|---|---|---|
上社前宮 かみしゃまえみや | 茅野市宮川 | 中央本線 茅野から徒歩35分 | 中央道 諏訪ICから車10分 |
上社本宮 かみしゃほんみや | 諏訪市中洲宮山 | 中央本線 茅野から徒歩50分 | 中央道 諏訪ICから車10分 |
下社春宮 しもしゃはるみや | 諏訪郡下諏訪町 | 中央本線 下諏訪から徒歩20分 | 長野道 岡谷ICから車10分 |
下社秋宮 しもしゃあきみや | 諏訪郡下諏訪町 | 中央本線 下諏訪から徒歩15分 | 長野道 岡谷ICから車15分 |
日本神話「国譲り神話」
天照大神(あまてらすおおみかみ)が、地上の国を譲るよう大国主命(おおくにぬしのみこと)に交渉しました。
国譲りに反対した大国主命の御子神・建御名方神(たけみなかたのかみ)は、天照大神の使者である建御雷神(たけみかづちのかみ)と力比べ(相撲の起源とされる)をすることになりました。
力比べに敗れた建御名方神は、諏訪の地まで逃れ、この地から出ないことを誓いました。
この神話が、建御名方神が諏訪に鎮座した由来とされています。
大国主命は出雲大社の御祭神であることから、諏訪大社は出雲大社と深いご縁で結ばれています。
四社参りの順番:【公式】諏訪大社の見解
諏訪大社の公式見解は「上社と下社のどちらから参ってもよい」です。
よくあるご質問質問
よくあるご質問-信濃國一之宮諏訪大社
① お参りの順番に決まりはありますか?
特に決まりはありません。回りやすい順番でお参りください。
② 諏訪大社の四社はどれが本社(格が上)ですか?
諏訪大社は上社の「本宮」と「前宮」、下社の「春宮」と「秋宮」の四社ありますが格の優劣はありません。四社で諏訪大社です。
四社参りの順番:こだわり順番と理由
上社前宮⇒上社本宮⇒下社
※下社の春宮、秋宮の順番は神さまがいる時期に合わせます。
諏訪大社の由緒や神話を交えて、こだわりの理由を説明します。
①前宮は諏訪信仰発祥の地

ご祭神の建御名方神(たけみなかたのかみ)さまと八坂刀売神(やさかとめのかみ)さまのご夫婦神が居を構えられたのが「本宮」。
「前宮」はそれ以前にあったお社で、諏訪大明神が最初に居を構えた諏訪信仰発祥の地です。
当初は、前宮が上社の祭事の中心地でした。
②下社より上社が先にできた
下社より上社が先にできたと伝わっています。
日本古来の習わしでは、上(かみ)と下(しも)の扱いは上が先となります。
③御神渡りの方向性
厳冬期には諏訪湖が全面結氷し、氷の一部がせりあがって筋になることがあります。
これを「御神渡り(おみわたり)」といいます。
上社の建御名方神さまが下社の八坂刀売神さまに会いに行かれた足跡とされています。
そこで、陸路ではありますが、御神渡りにならって上社から下社へ参るのも趣があると思いました。
④春宮と秋宮の違い

下社の八坂刀売神さまは2~7月は春宮、8~1月は秋宮にいらっしゃるというお話を地元の方にお聞きしました。
いらっしゃる所へ先にお伺いしたいのが私の想いです。

この4つの理由で、諏訪大社の歴史に思いをはせながらこだわり参拝しています。
1日で巡る四社参り、車での所要時間
マイカーで諏訪ICから四社参りを始め、岡谷ICに着く経路で参拝した時(2023年1月26日)の記録です。
所要時間は四社間の移動に1時間少し、滞在は1時間半強。
参拝だけが目的の駆け足で約3時間で巡った計算です。
初めての方、ゆっくり回りたい方は食事や散策の時間をプラスしてください。
ルート | 車での移動時間 | 現地滞在時間 |
---|---|---|
諏訪インター⇒上社前宮 | 10分 | 25分 |
上社前宮⇒上社本宮 | 10分 | 45分(ご祈祷あり、空いている場合) |
上社本宮⇒下社秋宮 | 30分 | 10分 |
下社秋宮⇒下社春宮 | 5分 | 20分(万治の石仏参拝あり) |
下社春宮⇒岡谷インター | 10分 | |
合計 | 1時間5分 | 1時間35分 |
諏訪IC⇒上社前宮
【諏訪IC⇒上社前宮 移動10分 滞在25分】


駐車場から300メートルほどの坂道を歩いて上がってきます。
前宮を背にすると車山や八ヶ岳などの山並みが美しく、手水舎代わりの水眼(すいが)川の水音が心に響いて去りがたくなります。
四社の中ではこちらがいちばん自然の中にいる感じがします。
⇒上社本宮
【上社前宮⇒上社本宮 移動10分 滞在45分(ご祈祷を含む)】


諏訪大社のご祈祷は上社本宮か下社秋宮でお願いできます。
この日はお正月も終わり、10年に一度の寒波で人もまばらで、ご祈祷までの待ち時間はほとんどありませんでした。
「神恩感謝」で日ごろの感謝をお伝えしました。
⇒下社秋宮
【上社本宮⇒下社秋宮 移動30分 滞在10分】


上社から下社への移動は、ナビでは諏訪湖を反時計回りに北上するルートを示すと思います。
経由する上諏訪、下諏訪は観光スポットが多いところです。
一方、時計回りに岡谷へ向かう道路を走ると、諏訪湖とその向こう(北側)に美ヶ原など高原の眺望が楽しめます。
⇒下社春宮⇒岡谷IC
【下社秋宮⇒下社春宮 移動5分 滞在20分(万治の石仏を含む)】
【⇒岡谷IC 移動10分】


春宮の横を皮が流れ、浮島社と万治の石仏があります。
1970年大阪万博・太陽の塔で有名な岡本太郎さんが万治の石仏を絶賛しています。
「芸術は爆発だ!」を地でいく仏さまはとても愛らしいです。
春宮から岡谷ICまで車で10分ほどです。
諏訪大社の御朱印
御朱印帳がなくても大丈夫
御朱印帳がなくても大丈夫です。
「紙御朱印(かみごしゅいん)をください」と申し出れば、1枚の紙の御朱印をいただけます。
1枚500円。
四社で2,000円。
2022年(令和4年)御柱祭りの年は、四社まいり用の色紙がありました。




紙御朱印に押された判子のトリビア
紙御朱印を並べてみてびっくり!


御朱印には、円の四分の一の判子が右下隅に押してあります。
「信濃國一之宮」の下に、前宮「神」、本宮「諏」、春宮「訪」、秋宮「社」の判子がありますね。
符号のように見えます。
写真のように並べると判子4つが円形になって「諏・訪・神・社」なのです。


こんな仕掛けがあったなんて感動です!
前宮の「神」の字が「大」じゃないの?って疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
諏訪大社は全国にある諏訪神社の総本社で「大社」を名乗っています。
「諏訪神社」でも間違いではありません。



私も最初は、えっ?
「大」の旧字にこんなのあるのかな?と思いました。
社務所にお聞きすると「神」とのお返事でした。
四社参りの記念品のもらい方
四社目の御朱印をいただく時に「ここが四社目です」と申し出ます。
どこのお社が最後でも構いません。
四社参りの記念品紹介2023年~
ここで紹介するのはあくまで過去の授与品の一例です。
四社巡りの記念品は訪れる時期によってデザインや品物が異なる場合がありますので、その時々の出会いをお楽しみください。
2024年(令和6年)5月頃〜:巾着袋




2024年5月頃から、記念品が「巾着袋」に変わったようです。
色は時期によって異なり、水色があったとの情報があります。
諏訪大社の御神紋「梶の葉」が風に舞うデザインで、御朱印帳も入る便利な大きさです(約26㎝×約18㎝)。
御神札や御守りを入れる紙袋にも印刷されています。
旅することが多い私は、小物用の巾着袋が欲しかったのでとっても嬉しいです。
2025年8月4日現在、薄いベージュ色の巾着袋が続いています。
2023年(令和5年)〜2024年春頃:がま口小銭入れ
2024年の春頃までは、がま口の小銭入れが授与されていました。
こちらも時期によって色が異なり、水色(2024年4月頃)、若草色(2023年5月頃)、深い朱色(2023年1月頃)などがありました。
2024年4月(令和6年):がま口小銭入れ(水色)






桜吹雪の中、四社まいりに行ってきました。
2023年の朱色、若草色から水色に変わっていました。
2024年5月ご参拝の方から「巾着袋」に変わっていたとの情報があります。
2023年5月(令和5年):がま口小銭入れ(若草色)




2023年5月は、がま口小銭入れの若草色が出ていました!
朱色は秋色、若草色は春色をイメージしているそうです。
下社は秋宮と春宮があります。
がま口小銭入れも秋と春でトリビア認定です!
2023年1月(令和5年):がま口小銭入れ(深い朱色)




記念品デザインに隠された秘密


小銭入れのデザインは、表はご神紋「梶の木」の葉が描かれています。
裏は諏訪湖の御神渡りの情景が描かれています。
御朱印の判子に引き続き、諏訪大社をもっと知ることができる豆知識を2つご紹介します。
トリビア①ご神紋の「梶」


諏訪大社は四社でひとつなのですが、ご神紋「梶の木」が上社と下社ですこし違います。
梶の木の根が上社は4本で諏訪梶、下社は5本で明神梶といいます。
上社と下社がもとは別々の神社だった名残のようです。
知らなければ見過ごしてしまうくらいよく似ています。
参拝の時に、境内、建物でご神紋を探してみてくださいね。
見つけると、あ、あれか!と嬉しくなりますよ。
2023年7月の参拝では各宮限定のお守りが新たに出ていました。
お守りの梶の木の根の数も確かに!








トリビア②御神渡り


厳冬期に諏訪湖が全面結氷すると、上社のある南から下社のある北へ向けて氷が裂けてせり上がることがあります。
上社の建御名方神さまが下社の八坂刀売神さまに会いに行かれた足跡といわれています。
湖上に氷の山脈が出現すると、八釼神社・御渡り神事が行われます。
その年の農作物、社会情勢の吉凶、気候雨量等を占います。
近年は御神渡りの出現が少なくなり、地元の皆さんも心待ちにしているそうです。
2025年の冬(2024年度)は、7年連続で御神渡りの出現しない「明けの海」となりました。
「明けの海にて神渡りござなくそうろう」と記録されるようです。
2025年立春 | 立春後も観察を続行 2月10日に全面結氷 御神渡りは出現せず翌11日に「明けの海」宣言 |
2024年立春 | 全面結氷なし 「明けの海」宣言 |
2023年立春 | 全面結氷したが御神渡りは出現せず 立春時点で「明けの海」となる見通し、その後観察終了 |
2022年立春 | 全面結氷したが御神渡りはなし 「明けの海」宣言 |
まとめ:諏訪大社四社まいりでご神縁を深めよう
諏訪大社は二社四宮の珍しい神社です。
諏訪湖を挟んで南北に二社ずつあるので、参拝順番で悩む方が多いようです。
この記事でお伝えしたことは4つ。
①諏訪大社の公式見解は、
②個人的には、前宮⇒本宮⇒春または秋宮の順でこだわり参拝しています。
③御朱印を四社集めると記念品がいただけます。
記念品は時期によって異なり、近年では「がま口小銭入れ」や「巾着袋」などが授与されています。
④四社参拝所要時間は、最短、車で2~3時間を見込んでください。


諏訪の神社巡りでお時間のある方はこちらの神社もいかがでしょうか。
諏訪の絶景が待っています。
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