- 守屋神社は物部守屋を祀る雨乞いの神社。自然あふれる音声ファイルあり。
- 奥宮へのアクセスは花の百名山守屋山(もりやさん)への登山になる。
- 里宮へのアクセスは152号線沿い、茅野駅からはタクシーか季節運行バスを利用
- 諏訪を一望する絶景ポイント「杖突峠」と茶屋の紹介
諏訪大社四社参りをきっかけに周辺の神社にも参拝するようになりました。
気になったのは物部守屋神社です。
守屋神社ともいいます。
守屋神社は、諏訪地方にしてはとても珍しい、御柱のない不思議な神社です。
実は、参拝に失敗して2日連続となりました。
これも不思議な神さまのお計らいかもしれません。
さてさて、どんな神社でしょうか。
興味のある方向けに、守屋神社のご由緒やアクセス、ちょっとした観光をご紹介したいと思います。
物部守屋神社とは
守屋神社は、諏訪大社上社(前宮、本宮)のある茅野市と伊那市の境にある守屋山にあります。
茅野市と伊那市をつなぐ国道152号線沿いに里宮が、標高1,651mの守屋山山頂には奥宮があります。
物部守屋神社のご由緒
物部守屋神社は、古墳時代の豪族である物部守屋を祀っています。
物部守屋は、仏教を日本に取り入れるかどうかをめぐって蘇我氏や聖徳太子と対立し、丁未(ていび)の乱で物部氏は滅びました。
その後、物部守屋の子孫が諏訪地方に逃れて住み着き、その末裔が守屋神社を創建したという伝説があります。
物部守屋神社のご祭神
物部守屋大連(もののべのもりやおおむらじ)
物部守屋神社のご利益
雨乞い
物部守屋神社の不思議
守屋山を下ると、御柱祭りで有名な信濃國一之宮諏訪大社があります。
諏訪地方の神社はほとんどすべてといっていいほどお社の周りに四本の御柱があります。
道端に祀られている小さな祠も四本の御柱があるのです。
諏訪大社と同じ形式を取っています。
ところが、物部守屋神社には御柱がありません。
不思議を解く鍵に、諏訪明神と洩矢神が争ったという伝説があります。
この洩矢神と物部守屋を同一視する説があります。
争った当事者を祀った神社なので、諏訪大社とは一線を画し御柱がないのかもしれません。
歴史が解明される日が待たれます。
物部守屋神社へのアクセス
物部守屋神社は、長野県伊那市と茅野市の境にある守屋山にご鎮座しています。
・奥宮:守屋山山頂
・里宮:守屋山麓の国道152号線沿い
路線バス旅泣かせで、本数が少なかったり、季節運行でしか止まらないバス停があったりします。
車やバイクでないととても行きにくい場所です。
路線バス事情
【ジェイアールバス関東】
奥宮は、守屋登山口バス停から登山、往復
里宮は、古屋敷バス停前
路線バスはジェイアール関東が伊那市高遠~茅野市茅野を走っています。
ところが、この区間が路線バス旅泣かせです。
- 通常は、JR茅野駅からの発車便はない
- 通常は、高遠からのバスは古屋敷バス停で折り返す
- 季節運行便「南アルプスジオライナー」でJR茅野駅-杖突峠-守屋登山口-バスターミナル高遠駅-仙流荘がつながる
実は、守屋登山口と茅野駅の間に「杖突峠」バス停があります。
これは高遠の桜の時期と夏山シーズンに季節運行便が止まるバス停です。
管轄の伊那市公式ホームページとジェイアールバス関東のホームページを見ても運行期間がはっきりしません。
直接問い合わせるのがよさそうです。
諏訪大社上社前宮からのGoogleマップ
里宮へのアクセスと駐車場
駐車場は神社の横の川向うで2台ほど止められるスペースがあります。
バス停横の広場はバスの回転場所なので駐車しないようにしましょう。
奥宮へのアクセスと登山口
標高1,651mの守屋山山頂には奥宮があります。
奥宮には磐座と石の祠があります。
「山と高原地図」に掲載されていないので登山の標準タイムは不明です。
守屋登山口からは標高差400メートルの登山で、往復3時間半から4時間といったところでしょうか。
今回の私は、里宮の参拝で終えました。
奥宮に参る方は、登山装備をして登ってください。
花の百名山である守屋山は季節によってさまざまな花が咲くそうです。
特にザゼンソウが有名です。
ザゼンソウの開花期は3~4月といわれています。
レンゲツツジ、マツムシソウ、カワラナデシコ、ミヤマダイコンソウ、ハタサンフウロ、クルマユリ、ショウジョウバカマ、ニッコウキスゲ、ノハナショウブ、トリカブト、ハンゴンソウ、ソバナ、ヤマシロギク、オミナエシ、サワアザミ、ザゼンソウ
田中澄江. (1980). 『花の百名山』. 文芸春秋.から抜粋
物部守屋神社里宮の癒し
耳で聴く境内の癒し
2023年5月下旬、山には藤の花が咲いていました。
鳥のさえずりと虫の声、カエルの声、川のせせらぐ音があたり一面を満たしていました。
ここにたたずむだけで、浄化されるようです。
国道沿いのお社で時折車が走り去りますが、ひとたび境内に入ると、車の音は別の世界にあるかようにとても遠くに聞こえます。
地元の方が大切になさっている神社で、厳かな気持ちになる境内です。
参らせていただけてありがたいことです。
全身に降り注ぐ癒しの自然音のシャワーを録音しました。
聞いて感じてみてください。
ご本殿を見過ごさないで
鳥居をくぐって参道を上って行くと狛犬がいて、拝殿があります。
拝殿の後ろに回るとさらに階段があります。
その先にご本殿があります。
立派な拝殿なので、私はここがご本殿と勘違いして帰ってしまいました。
やってしまった。。。ご本殿に参っていない!と翌日改めて参拝しました。
2日続けて参拝した理由です。
ご本殿には石の奉納物(長石)が納められている話がありますが、覆屋(おおいや)と施錠で中をうかがい知ることはできません。
神さまに失礼がないように参拝したいものですね。
物部守屋神社近くの絶景:杖突峠
長野県茅野市側からのアクセスで必ず通るのが杖突峠です。
諏訪地方一望の杖突峠
茅野市側から国道152号線「安国寺西」交差点から山道を車で上って行きました。
制限速度50キロの標識がありますが、40キロでもいいんじゃないかという結構な坂道とカーブです。
安国寺西から車で10分ほどで杖突峠バス停です。
物部守屋神社はここからさらに5分かかります。
杖突峠バス停には峠の茶屋があり、素晴らしい眺望と、喫茶、蕎麦が楽しめます。
バイクツアー、ドライブのお客さんの休憩場所です。
峠の茶屋2階に無料展望台があります。
写真の矢印は霧ケ峰高原の山火事の跡です。
ニュースでは知っていましたが、展望台から焼け跡を眺めると山火事って怖いなとしみじみと思いました。
夏はニッコウキスゲが咲く高原です。
早くもとに戻るといいですね!
峠の茶屋でひと休み
峠の茶屋には風聲庵(蕎麦)と風の詩(喫茶)があります。
2日連続参拝になってしまったので峠の茶屋にも2日続けて寄りました。
そば処 風聲庵(1階)
1日目
杖突そば 1,500円(税込)
五平餅 550円(税込)
蕎麦も五平餅も信州の名物。
来たら、つい食べたくなります。
杖突そばは、信州産と上州産の二種をいただきます。
蕎麦そのものを味わうために「水」がついています。
ちょっとお水につけてずずっとすすると香りが口に広がりました。
上州産は、白っぽく、細目、さらっとした感じ。
信州産は、黒っぽく、上州産より太目、しっかりした感じ。
蕎麦を食べて、五平餅も食べられるかなと思いましたが、大丈夫、食べられました。
山椒の風味が感じられる味噌は美味しいかったです。
喫茶 風の詩(2階)
2日目
ブレンドコーヒー 550円(税込)
特製チーズパン1個 120円(税込)
寒天入りミネストローネ 600円(税込)
2階の無料展望台は、喫茶店内を通って出ます。
え、通っていいのかな…と遠慮がちに入ってみました。
店員さんは快く通してくださり、景色を楽しむことができました。
コーヒーがサイフォン式でお勧めです。
特製チーズパンは小ぶりでもちもち。
ミネストローネは糸寒天が入っていて優しいお味はパンによく合います。
寒天は諏訪地方の名物です。
冬の凍てつく寒さで作られます。
食物繊維たっぷりなので、私は糸寒天を味噌汁に入れたりしていますよ。
まとめ:物部守屋神社が気になる人へ
物部守屋神社は諏訪大社上社の背後にある守屋山にある神社です。
諏訪地方にしては珍しく御柱がない不思議な神社です。
行ってみたい方にとっては、路線バスではアクセスしにくい場所なので車、タクシー、バイクがおすすめです。
思い切って行ってみると、物部守屋神社の癒しの空間と杖突峠の絶景、美味しいものに出会える旅になります。
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