所属する合唱団の演奏旅行でパリに行きました。
水を買うためにスーパーのMonoprixに入って他の棚も見ていると、アッ!
「手に入らなくてあきらめていた塩」に似たブレンドソルトを見つけたのです。
なんと嬉しいことでしょう。
今回は、パリ土産定番のフランスの塩「フルール・ド・セル」と日本では入手困難なブレンドソルト「フルール・ド・セル+エスプレット唐辛子」をご紹介します。
パリ土産・食品の定番は?
チーズ、バター、塩、オリーブオイル、スパイス、ジャム、はちみつ
フルール・ド・セルとは
天然塩の中でもフルール・ド・セルは特別な塩です。
フランス語で「塩の花」を意味するのが Fleur de Selです。
良質の塩田に引き込んだ海水が一定の気象条件と塩分濃度によって水面に結晶化したものをすくい取ったものです。
湿気の多い日本とは違い、フランスは乾燥しているため、煮詰めなくても塩田で塩が結晶化するようです。
収穫には熟練した技術が必要で、また、収穫量が少ないため貴重な塩となります。
塩化ナトリウム以外にもカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル豊富の天然塩の滋味深さは、世界中の料理人に人気があります。
フルール・ド・セル5つの特徴
- 塩田の水面に結晶化した塩は丁寧に収穫される伝統的な製法による塩です。
- 添加物が一切入っていない100%天然海塩はミネラル成分をたっぷり含み健康にも良い塩です。
- 食材のうまみ、あまみを最大限に引き出してくれ、幅広く使える塩です。
まろやかで深みのある味は料理の風味を引き立てます。 - ゲランド、レ島、カマルグが三大産地として有名です。
それぞれの産地によって微妙な味の違いがあります。 - サラダや肉料理、魚料理、また、塩キャラメルやガトーショコラなどのスイーツにも使われます。
フルール・ド・セルのフランス三大産地
- ゲランド(Guérande ブルターニュ地方西海岸)
- レ島( Île de Ré 大西洋岸に浮かぶ2番目に大きな島)
- カマルグ( Camargue 南仏プロバンス)
フルール・ド・セルの選び方
最も大切なのは、フルール・ド・セルと産地の表記があるかどうかです。
フルール・ド・セルは塩田の海水面に自然結晶したものをすくい取って収穫した塩をいいます。
特にゲランド塩のフルール・ド・セルは厳格に規定されています。
表示例)Fleur de Sel de Guérande
⇒ゲランド産のフルール・ド・セル
それに対して、SEL GROSやSEL FINは粒子の大きさを示しているだけです。
フルール・ド・セルではない塩もあるので注意しましょう。
- SEL GROS(セル・グロ)⇒粗塩
- SEL FIN(セル・ファン)⇒細かい塩
ハーブHerbes、トリュフTruffe、スパイスなどで風味をつけたブレンドソルトもあります。
フルール・ド・セルのパリでの入手法
パリでは百貨店の調味料コーナーやMonoprixなどのスーパーで、箱・布・紙袋などに包まれて売られています。
百貨店
- ル・ボン・マルシェ・リーブ・ゴーシュ(LE BON MARCHÉ RIVE GAUCHE)
http://www.lebonmarche.com/jp.html - ギャラリーラファイエット パリ ・オスマン・グルメ(Galeries Lafayette Paris Haussmann Gourmet)
http://haussmann.galerieslafayette.com/
大手スーパー
モノプリ(MONOPRIX)
https://www.monoprix.fr/
パリ土産で有名になったのがモノプリのエコバッグ。
モノプリはプチプラなパリ土産が買える優れもののスーパーマーケットです。
日本ならカルディ
日本でフルール・ド・セルが手軽に買えるのはカルディです。
カルディ以外にもネット通販で入手が可能です。
2023年7月15日現在のお値段は
カマルグ産フルール・ド・セル125g 1,110円(税込)
写真の左隣は、ゲランドの塩125g 586円(税込)
※ゲランドの塩の方はフルール・ド・セルではありません。
フルール・ド・セル+エスプレット唐辛子を見つけた!
忘れられない味との出会い
7~8年前。
娘がニューカレドニアに旅行した時に、ワイン店でミルに入った洒落た塩を見かけてお土産に買ってみたそうです。
娘が美味しいというので使ってみると、肉料理、魚料理、何に使っても確かに美味しい!
野菜炒めもこれで炒めると野菜のうまみが生かされ絶品に。
どんどん使って。
日本でもどこかに売っているだろうと軽く考えていました。
どんどん減って。
先が見えてきたら、これがなくなったら次は本当にあるのか!って不安が出てきました。
娘の物をこんなに使っちゃって悪いという罪悪感も。
ネガティブな感情が表にあぶり出てきました。
食べることは生きる本能なので、余計に不安があおられたのかもしれません。
探さなければ!
執念で探し始めました。
商品ラベルからわかったこと
問題のブレンドソルトはこちら。
ニューカレドニアはフランス海外領土なのでフランス産なのだろうな…。
確かにラベルはフランス語です。
翻訳アプリで訳してみました。
- Les Oréliades(レ・オレリアード)はブランド名らしい。
- Gros sel au Piment d’Esplettoは「エスプレット唐辛子入り粗塩」の意味
- 内容は、地中海粗塩、8%AOPエスプレット
- 製造者住所
キーワードは「エスプレット」でした。
エスプレットの前に書かれているAOPは「原産地保護呼称」を示し、EUが品質認証している証だとわかりました。
エスプレットとは?
ピレネー山脈をはさんでスペイン北西部からフランス南西部エスプレット村にまたがる地域をバスクといいます。
この地域で生産される唐辛子、その粉をピモン・デスプレットあるいは単にエスプレットと呼びます。
Piment d’Esplettoとは、バスクで生産される唐辛子のこと
唐辛子の名前になるくらい、産地のエスプレット村は唐辛子で有名です。
チョコにもアイスにもチーズにもエスプレット唐辛子を入れたものがあるそうです。
その味は、唐辛子といいながらも辛みは日本のものよりマイルドです。
控えめな辛さと香りが料理にアクセントを添えます。
日本では入手困難なエスプレット唐辛子入り粗塩
当時、商品ラベルの情報で検索してもお目当ての物を見つけることはできませんでした。
最近は検索できています。
時間をおいて検索してみると出てくることもあるようです。
また、「エスプレット」で日本国内を検索しても粗塩と合わせたものはありませんでした。
エスプレット唐辛子入り粗塩は、日本では入手困難な塩だったのです。
製造者サイトに問い合わせた結果
画像検索をしてみると、同じ形のミルがヒットしました。
出てきたのがこちら。
ミルの形はそっくりですが、ラベルも色も全然違いますね。
だけど、住所が合致しました。
これだ!
思い切って娘が英語で問い合わせをしてみました。
その結果は…。
こうして、私の心に「いつかフランスでエスプレット唐辛子入り粗塩に出会いたい」という願いが生まれたのです。
Monoprixのフルール・ド・セル+エスプレット唐辛子
2023年6月。
パリで、水を買うために入ったMonoprixで見つけました。
オペラ座、百貨店ギャラリーラファイエットの近くです。
え、えっ、ひょっとして!
ついに出会いました。
- 三大産地のひとつカルマグのフルール・ド・セル 84%
- 有機エスプレットAOP16%。
- 1缶125グラム
- 8.89ユーロ(1ユーロ150円で計算すると、1,334円)
探していた塩よりも上等のようです。
フルール・ド・セル+エスプレット唐辛子の風味
缶を開けると、ふわっと唐辛子の香りがします。
一粒を口に入れると、塩溶けはよく、溶けた後にジーンと辛みが後を引きます。
まろやかでありながら、しっかりと主張もします。
多すぎず少なすぎず料理に使えば、いつもの味がワンランク上のものになる予感。
フルール・ド・セル+エスプレット唐辛子の使い方
【ポテトサラダの隠し味に】
アンデスレッドを皮ごとゆで、薄切りの塩もみキュウリ、豆乳マヨネーズとほんの少しのフルール・ド・セル+エスプレット唐辛子で和えてみました。
マヨネーズの味の後に辛みがうっすらと感じられ、全体が引き締まった感じです。
【冷奴のアクセントに】
冷奴は夏の暑さで食欲が落ちている時に食べたくなりますね。
フルール・ド・セル+エスプレット唐辛子を少し乗せてみましょう。
塩が大豆の甘みを引き出し、エスプレットの辛みが胃を刺激します。
フルール・ド・セル+エスプレット唐辛子を使った感想
Monoprixで売られているフルール・ド・セル+エスプレット唐辛子はエスプレット含有量が16%と高めです。
塩味を効かせたいからといって量をたくさん使うと辛みが勝ってきます。
少量を使って風味を楽しむのがコツだと思いました。
グリル料理には特に美味しく使えますよ。
我が家では私がはまってしまって、しばらくはこれを使った料理が続きそうです。
それくらい美味しい、レパートリーが広がる調味料なので日本でも気軽に買えるといいなあ。
今回、手に入れることができて、長年の「欲しい!」も満たされました。
欲しい物って、今すぐ手に入らなくても、想いと行動を積み重ねていけば手に入るのだなってつくづくと思いました。
あきらめないって大切です。
まとめ:パリ土産にちょっと変わった天然塩もおすすめ。
フランス・パリ土産の定番に天然塩があります。
その中でも「塩の花」を意味するフルール・ド・セルは、古式製法で作られる格別な塩です。
Monoprixで見つけたフルール・ド・セル+エスプレット唐辛子は、お料理好きな人やパリに行き慣れた人へのお土産におすすめです。
興味のある人は探してみてください。
もし、エスプレット唐辛子入りがなくても落胆しないで。
シンプルなフランスの天然塩はそれだけで素敵なお土産になります。
コメントのご入力はこちら