指に注意!更年期の関節症「へバーデン結節」の原因は女性ホルモン

この記事は、中高年女性で関節が強張(こわば)って曲げにくい・曲げられない、関節が赤く腫れて痛む、指が変形してくるなどの症状がある方に向けて書いています。

更年期にみられる指の変形にヘバーデン結節があります。
これは指の第1関節が変形する病気です。

整形外科では以前は「使い痛み、年のせい」といわれていましたが、最近は女性ホルモンの影響が研究されています。

この記事の目次

一般的な整形外科でのヘバーデン結節

整形外科領域ではへバーデン結節は軽く扱われがちな印象です。
雑な言い方ですが、「へバーデン?ああ、使い痛みや老化。仕方ないね」みたいな感じです。

患者にとっては毎日使う手指のことなので、痛くて、動かしにくくてつらいし、関節の変形に気持ちが落ち込むし、悲しいしと、とても切実な問題なのですが…。

日本整形外科学会の一般の方向けページを閲覧すると、女性ホルモンとの関係性についての記載はありません。
まだまだ認知されていないようですね。

ですが、まずは、学会の記載からヘバーデン結節をみていきましょう。
参照サイト)日本整形外科学会「へバーデン結節」

症状

ヘバーデン結節は手指の第1関節の腫れ、変形、痛み。
第1関節付近に水ぶくれのようなこぶ(粘液嚢腫、ミューカスシスト、ガングリオンと呼ばれる)ができることがある。

第2関節の関節症はブシャール結節という。

病態と原因

手指の第1関節に起こる変形性関節症。

原因は不明。
一般に40歳以降の女性に多い。
手をよく使う人に見られる傾向がある。
遺伝性は証明されていない。

診断

第1関節の変形、突出、疼痛と、X線(レントゲン)像で骨棘(こつきょく)が見られる。
骨棘とは、関節面の軟骨が肥大増殖して骨化し、棘(とげ)のようになったもの。

※関節が変形する病気として慢性関節リウマチが知られていますが、こちらはX線像のほか、血液検査で診断されます。

治療と予防

治療には保存療法と手術療法があります。

  • 保存療法
    炎症があって痛みがある時は、基本的には安静に。
    他に消炎鎮痛剤やステロイド剤などの投薬。
    患部を固定するためのテーピング
  • 手術療法
    痛みや変形で日常生活に支障をきたすものは手術適応。
    こぶ結節の切除や関節の固定。

女性ホルモンの減少が原因説

近年の研究によるとヘバーデン結節の発症には女性ホルモン(エストロゲン)が関わっていることがわかってきました。

更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが低下します。

子宮内膜や乳腺、副腎、腎臓など体中にエストロゲン受容体が存在し、分泌されたエストロゲンが受容体に結合することで体の機能が整えられています。
筋肉と骨をつなげる腱や関節の動きをなめらかにする滑膜にもエストロゲン受容体が存在していて、エストロゲンは関節を保護してくれています。

ところが、更年期になってエストロゲンの分泌が減少すると腱や関節は炎症を起こしやすくなり、腱鞘炎やばね指を起こし骨に負担がかかるようになります。
そのため骨棘が形成され、ヘバーデン結節の特徴的な関節の変形へと進むという説です。

更年期は閉経の前後5年です。
ヘバーデン結節はエストロゲンの分泌の減少とともに、痛みや腫れが出ては治まり、出ては治まりを繰り返し、何年もかけて進行していくことになります。

最近、この女性ホルモン説が整形外科でも広まり、エストロゲンとよく似た働きをもつ「エクオール」を含むサプリメントの摂取を勧めるドクターが増えてきています。

補足すると、更年期以外でもエストロゲンが減少する場合は症状があらわれることがあります。

例えば、妊娠中から出産後にかけてのエストロゲンが減少する期間に手指の腫れや強張りなどの症状が出る人がいます。
この場合は、産褥期や授乳期が終わって月経が再開すればエストロゲン分泌量が回復するので症状も取れてきます。
妊娠出産では関節や骨の変形にはいたらないようです。

炎症や痛みに影響する食べ物

ヘバーデン結節の治療目標は、

  • 炎症を抑えること
  • 痛みを取ること
  • 関節の変形を抑えることです。

整形外科では安静を保ち、主に薬や手術で治療していきます。

他にできることはないかと調べてみると、日常生活では食べ物でのケアがありました。

女性ホルモン様のはたらき:エクオール

最近人気が高まっているのが、大豆イソフラボンやエクオール

更年期で女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減っても、エクオールがエストロゲン受容体に結合してエストロゲン様のはたらきをしてくれます。
そのため、ホットフラシュやイライラなどの更年期症状を改善することが期待されています。

エクオールは大豆イソフラボンの一種。
大豆製品を食べると腸内細菌のはたらきでエクオールが作られます。
日本人の半数は、腸内環境がエクオール産生に適していないので、サプリメントで補助することがいわれています。

腸活したらエクオール作れるかな? 

可能性はあるんじゃないかな?
日本人は昔から大豆製品を食べてきたから相性はいいんじゃない?

大豆製品?

そう、特に味噌や納豆など大豆の発酵食品ね。 

更年期女性が注目するエクオール。
ご存じでしたか?

個人的にはエクオールのサプリメントで痛みが軽くなったように感じています。

骨の主成分:カルシウム

更年期のカルシウムを考える時2つの問題があります。

  • 食生活でのカルシウム不足
    体内にあるカルシウムは99%が骨や歯に貯蔵され、残り1%が細胞内や血液中にあります。
    骨代謝によって骨は作られる一方で破壊されることを繰り返しています。
    カルシウムが不足すると、骨を破壊して血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとします。
    つまり、カルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶け出して血液に乗って全身を巡ることになります。
  • 女性ホルモン減少で骨粗鬆
    女性ホルモンのエストロゲンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑制するたはらきがあります。
    そのため、更年期に女性ホルモンが減少すると骨粗しょう症になりやすくなります。

いずれも、カルシウムが骨から溶け出し、血液中のカルシウム濃度が増える方向に進みます。
そして、一度骨から溶け出したカルシウムは骨に戻ることはないそうです。
このカルシウムが血管に沈着すると動脈硬化(石灰化)になるし、同じように、指の第一関節に沈着してヘバーデン結節になるという説があります。

カルシウムをサプリメントから摂る場合の注意点は2つ。

  1. マグネシウムも一緒に
    細胞内のカルシウム濃度を調節してくれるのがマグネシウムです。

    食生活では献立を和食中心に。
    カルシウムは、魚介類、藻類、乳類、豆類、種実類、野菜類に多く含まれます。
    マグネシウムは、藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに。

    サプリメントを選ぶ時はカルシウムとマグネシウムの比は1:1のものを。
  2. 過剰摂取しない
    足りないと思うとつい多く摂取しがちになります。
    サプリメントの摂り過ぎによる健康被害もあるので、1日の目安量を守りましょう。

バランスで炎症を抑える:脂肪酸

ヘバーデン結節を起こす関節は炎症を繰り返します。
女性ホルモン(エストロゲン)には抗炎症作用があり、今まで関節を守ってくれていました。
それが減るので炎症を起こしやすくなっているのです。

炎症には、食生活での油(脂肪酸)の摂取が関わっています。

脂肪酸のことを話し出すと、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸があって、不飽和脂肪酸はこれこれがあって…と覚えるのが大変なのでポイントだけお伝えします。

脂肪酸のバランスが取れていると炎症が抑えられる
⇒おススメは、 亜麻仁油、えごま油、魚油、ボラージオイル、月見草油

現在の日本人の食生活では脂肪酸のバランスが崩れています。
バランスを整えるためには、亜麻仁油、えごま油、魚油、ボラージオイル、月見草油などがよいといわれています。

とはいえ、油脂はカロリーが高く、更年期で代謝が落ちているので、たくさん食べると太りやすいデメリットもあるので注意してくださいね。

そして、次のようなことを工夫してみましょう。

  • 揚げ物を減らし、炒め物は良質な油を少量。
  • 和食中心に。
  • 肉より魚
    ⇒コレステロール対策や認知症予防になる魚油(EPA 、DHA)が摂れます。
  • サプリメントの摂取。

まとめ

近年、更年期にみられる関節症「ヘバーデン結節」は、女性ホルモンの減少が原因であることがわかってきました。
手の使い過ぎ、食生活なども影響しています。

この記事ではヘバーデン結節の概要と食生活での工夫を中心に紹介しました。
食生活では次の3つの摂取がポイントです。
・エクオール
・カルシウム
・脂肪酸

残念ながらヘバーデン結節に特効薬はありません。
更年期の変化として受け入れ、少しでも変形や痛みを軽くしていきたいものです。

この情報がお役に立ちますように。

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この記事を書いた人

薬剤師
春光苑漢方研修会漢方修士
薬膳コーディネーター
感情カウンセラー協会認定 感情カウンセラー
バーストラウマ&インナーチャイルド対応会員制ヒーリング・ヒーラー

大学卒業後、製薬会社の学術部で社員教育と医療関係者への情報提供に携わり、その後、整形外科病院で薬剤師として勤務、退職。
現在はアラフィフからのセカンドライフをもっと元気にもっと自由に行きたい方向けにコンテンツを提供している。

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルドなどの心の問題に向き合うことで状況を克服。
今では笑顔を取り戻し、日々軽やかに過ごしている。

セッションでは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻していただけるように心掛けている。

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