- 年齢とともに変化する妊娠する力
- 更年期だって妊娠の可能性がある
- おさらいしよう「具体的な避妊法」
- いつ魂がやってくるの?ちょっとスピリチュアルな話
この記事では、「更年期だからもう子どもはできないよね?」と思いつつ不安をぬぐえない方向けに女性の妊娠力と避妊について解説しています。
安心安全な愛を育む性生活は女性をリラックスさせ、内側から輝き出る活力となります。
そのための知識としてご活用ください。
年齢と共に変化する妊娠力
妊娠する力を医学的には妊孕力(にんようりょく)といいます。
聞きなれない、難しそうな言葉ですね。
妊娠する力は、女性ホルモンの変動とリンクしています。
妊娠適齢期

妊孕力は年齢と共に変化してきます。
- 子宮の状態が妊娠出産に適したピークを迎えるのは10代後半から20代。
- 30歳くらいから妊孕力は徐々に落ちてくる。
- 40歳を過ぎると妊孕力は急速に落ち、40代後半ではほぼなくなる。
以上から、一般的には妊娠適齢期は35歳までということになります。
30代になると自然妊娠率は下がり、流産率が上がってきます。
体外受精や顕微授精などの医療による妊娠、出産もリスクが上がってきます。
そのため、妊活の期限も35歳が目安となります。
更年期の妊娠
閉経前は、月経不順になっても排卵はまだあると考えられます。
⇒妊娠の可能性は低くなっているが、100%妊娠がないとはいえません。
閉経して卵巣の機能が停止すれば、排卵しなくなり、生理もなくなります。
⇒自然妊娠の可能性はなくなります。
・閉経前は妊娠する可能性がある。
・閉経後は妊娠しない。
ところが、更年期は閉経の前後5年をいい、閉経は最終月経から1年生理がなかったら…という話。
自分がいつ更年期なのかわからないし、閉経したのかもわからなくてモヤモヤする期間は何年にもなります。
月経が数か月こないのを閉経と自己判断するのは禁物です。
はっきりさせるには、婦人科の血液検査で女性ホルモンの数値諸々を診てもらうことが必要です。

「更年期だから妊娠しない」は間違いです。
閉経したとはっきりとわかるまで妊娠の可能性を忘れないで。
知ってる?40代以上の人工妊娠中絶数


一般的に更年期は40代後半からとなります。
初産婦なら35歳以上、経産婦なら40歳以上が高齢出産になります。
最近では、更年期に差し掛かっての妊娠出産は多くあります。
高齢出産は、流早産、妊婦の合併症、生まれてくる子どものダウン症といったリスクが高まるので、子どもを望む場合は、リスクをしっかり知っておくことが大切です。
一方、子どもを望まないなら、閉経と診断されるまでしっかり避妊することが大切です。
思いがけない妊娠で身や心に傷を負うのは、決して他人ごとではありません。
現実的に40代、50代の人工妊娠中絶は「ある」のです。
厚生労働省の『令和元年度_衛生行政報告例_概況』から人工妊娠中絶数の数字を見てみましょう。
令和元年度の人工妊娠中絶数
厚生労働省 令和元年度_衛生行政報告例_概況
総数 156,430
20歳未満 12,678
20~24歳 39,805
25~29歳 31,392
30~34歳 29,402
35~39歳 28,131
40~44歳 13,589
45~49歳 1,399
50歳以上 11
不詳 23
40代、50代の人工妊娠中絶数は20代未満の数を上回っています。



この数字にはちょっとびっくり。
避妊していないケースが多いのかもしれませんね。
更年期の避妊法は?


更年期だからといって特別な避妊法があるわけではありません。
というわけで、避妊法のおさらいをしましょう。
OC(低用量ピル、避妊ピル、経口避妊薬)
医師の診断、処方のもと、正しく使用すれば高い効果が得られます。
定期的な診察と、毎日OCを飲まなければいけないのが煩わしいかもしれません。
日本産婦人科学会のガイドラインでは、ピルを服用していると40歳から血栓症のリスクが高まるため、50歳か閉経のいずれか早い方までの使用とされています。
アフターピル(緊急避妊)
緊急用としてアフターピルがあります。
コンドームが破れたり外れたりして失敗した、OCの飲み忘れ(1週目の3錠以上)、レイプなど妊娠の可能性が生じた際に緊急で服用します。
性交後72時間以内にできるだけ早く服用しなければなりません。
したがって、受診も速やかに。
あくまでも緊急用であることを肝に銘じて服用してください。
IUD(子宮内避妊用具)
子宮内に挿入し、受精卵の着床を防ぐ小さな器具です。
以前は避妊リングといわれてリング状をしていましたが、最近はT字型のものが多くなっています。
医師による装着が必要で、一度挿入すると数年は避妊効果が得られます。
装着時の痛みや出血、月経量の増加、感染症が起こることがあります。
性感染症の予防はできません。
IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)
IUD(子宮内避妊具)のうち、黄体ホルモンが溶出するようにしたものをIUSといいます。
黄体ホルモンが子宮内膜の増殖を抑え、受精卵の着床を防いだり、精子の子宮への進入を防ぎます。
装着時の痛みや出血、感染症についての注意はIUDと同様。
IUDとの違いは、月経量が多い人、生理痛が重い人はIUSは治療として用いられることがある点です。
避妊に用いる場合は自費診療となりますが、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症等による過多月経や月経困難症の治療に使われる場合は保険適用となります
基礎体温
毎朝、起床前に基礎体温を測定。
記録してグラフにしてみると排卵しているかどうかわかります。
高温期、低温期の二相が見られれば妊娠する可能性はあります。
とはいえ、二相ができているかの判断は難しいので補助的に使うのが良いでしょう。
基礎体温は、更年期の体調管理にも利用できます。
毎朝の習慣化が定着するまで大変かもしれません。
不妊(避妊)手術
永久避妊となる卵管結紮。
男性の場合は、精管結紮、いわゆるパイプカットです。
卵管結紮は、入院をともなう手術となります。
性感染症を予防することはできません。
コンドーム
性交時に男性器にかぶせる薄いゴム製の袋。
かつては、膣内に装着する女性用のコンドームもあったようですが、現在は入手できないようです。
医療機関を受診しなくても入手でき、性感染症の予防に効果的。
手軽に使える反面、装着ミス、外れる、破れるなどして避妊に失敗するリスクがあります。
膣外射精は避妊法ではありません。
誤った認識があるのでご注意ください。
エピソード「魂はやってきたけれど…」


医学的な証明は何もない、けれど、本当にあった不思議な話を少し。
私が出会ったある50代女性のお話です。
パートナーと仲睦まじい彼女はその時は気が緩んじゃったのか、避妊をしていなかったそうです。
その後、しばらくなかった生理がきたそうです。
夜、明かりを消してお布団で横になっていると、ふと部屋の一角に見えたそうです。
青い球のようなぼんやりした光が。
それがふーっと寄ってきたかと思ったら、すーっと離れてどこかに消えてなくなったそうです。
私はこのお話を聞いて、生理は自然流産の出血だったのじゃないかと思っています。
スピリチュアルな話になりますが、一説には、魂は妊娠3か月くらいまでに胎児のもとへやってくるそうです。
赤ちゃんに宿る魂はやってきたけれど、宿るはずの受精卵が流産したのを知って帰っていっちゃったのかもしれませんね。
さあ、この話を信じるか信じないかは自由です。
真実はわかりません。
もし、わが身にこのようなことが起こるとしたらどう感じるでしょうか。
ちょっと考えてみてください。
自然の流れだからと気にかからないかもしれません。
妊娠しなくて安堵するかもしれません。
何かが失われた悲しみ、喪失感、罪悪感が感じられるかもしれません。
感じ方は人それぞれでしょう。
けれど、もし、妊娠したら更年期の貴女は生む決断ができますか。
避妊は、心、体、魂を守る行為なのです。
まとめ


この記事では、更年期でも、閉経前は妊娠する可能性があることをお伝えしました。
生理が不順となりつい避妊を怠りがちですが、もしもの時には人生を揺るがすような決断を迫られるかもしれません。
避妊法にはいろいろあります。
- OC、アフターピル
- IUD、IUS
- 基礎体温
- 不妊手術
- コンドーム
パートナーととも相談してご自身にあったものを選んでいきましょう。


コメントのご入力はこちら