ムッとする日常の小さないざこざ。親しい人とのすれ違いを乗り越えるシーン別対処法。

夫婦間、親子関係、友情、職場の人間関係など、身近な人々との関わりの中で、時々イライラすることがあるのは普通のことです。特に親しい人とは、期待したことが通じなかったり、相手の理解を得られなかったりすることで、感情が高ぶることがあります。しかし、冷静になって考えてみると、感情に流されていたと気付くこともあります。この記事では、そんな時に自分を制御する方法をシーン別に紹介します。

この記事の目次

イライラした時、まず試すべきこと

感情を抑え込む必要はありません

何かにイライラすることは、人間関係にトラブルを招き、精神的にも良くないと感じる人もいるでしょう。ですが、感情に蓋をする必要はありません。イライラした時、それはあなたの心が何らかの影響を受けている証拠です。感情を抑え込んでしまうと、結局は自分自身にストレスをかけてしまい、後で感情が爆発したり、疲れやすくなったりすることがあります。

一度、その場を離れることを考えよう

感情を抑える必要はないと言っても、その場で事を荒立てることは避けたいですよね。感情的になったり、怒りが爆発したりしないように、一時的にその場を離れることをお勧めします。「コーヒーを買いに行く」と言うのも良いし、「トイレに行く」と言うのも構いません。大事なのは、ストレスの原因から一時的に離れて、心を落ち着けることです。

活動したり、リラックスしたりして休憩を取る

少し離れてみたら、軽く歩いたり少し速めに歩いたりして、体を動かしてみましょう。カフェでお茶を楽しむのも、心を落ち着けるいい方法です。運動や飲み物でリフレッシュすれば、物事を冷静に考えることができます。場所を離れられないときは、目を閉じて深呼吸したり、背伸びをしたりするだけでも気分が楽になります。

落ち着いたら、原因を考える

イライラするとき、相手があなたを怒らせようとしていることはほとんどありません。単に思いやりが足りなかったり、自分の感情を優先しているだけです。相手はあなたが不機嫌になった理由を想像できないかもしれません。それを考えて、何が起こったのかを振り返り、その原因を探ってみましょう。

パート1:夫婦の場合

相手に対する期待を考え直す

「あれをやって」と頼んだのに、全くやってくれない。真面目な話をしているのに、ちゃんと聞いてくれない。仕事で疲れているのに、些細なことで文句を言われる…。一緒に生活をしている夫婦にとって、こうしたイライラは日常的なことです。夫婦間のトラブルを避けるためにも、まずは相手に対する期待が高すぎないか、自分自身に問いかけてみましょう。

長く一緒に暮らしていると、相手を理解していると思い込みがちです。相手が協力を約束したら、期待通りに行動してくれると信じてしまうこともあります。しかし、このような根拠のない期待は、がっかりしたり不快な気持ちになったりする原因になります。相手にも知らずに怒りをぶつけてしまうことになるかもしれません。お互いを独立した個人として改めて認識し、言葉や行動で気持ちを伝えることが大切です。交際初期や結婚当初のように、相手を思いやる姿勢を取り戻すことが重要です。

相手の話を一度すべて受け止めてみる

相手の言動が理解できない、自分が軽視されていると感じる場合でも、イライラすることがあります。このような時は、まず相手を理解しようとする姿勢が重要です。

例えば、自分の伝えたいことを相手が受け止めてくれない時は、相手の現状を考慮してみましょう。疲れているかもしれない、趣味の時間を楽しみにしているかもしれない、子供の世話で忙しいかもしれない。心から共感できなくても、相手の立場を理解することは可能です。その上で、自分の気持ちを伝えるタイミングを改めて考えましょう。

言いたいことがある時はタイミングを見計らう

感情が高ぶっている時は、冷静な話し合いには不向きです。自分がイライラしていることを自覚している時や、相手が感情的になっていると感じる時には、話し合いを避けることが賢明です。感情を逆撫ですることになりかねません。そのような時は、一度話を止めて、心を落ち着かせることに専念しましょう。少し時間を置いてから再び話し合えば、お互いにしっかりと向き合って対話できるはずです。

パート2:友人関係の場合

友人の価値観を少し離れたところから見る

「結婚はまだ?」や「私たちはこうしているけど…」というような何気ない一言でイラッとすることが、友人同士の間ではよくあります。これは価値観の違いによるものが多いです。まず、友人の言葉を「自分とは異なる価値観」として受け止め、「人にはそれぞれの考え方がある」ということを思い出してみてください。友人の考えを自分から少し離して考えることで、感情のコントロールもしやすくなります。

心が揺れそうな時は、自分自身に問いかけてみる

でも、親しい友人の場合、冷静さを失ってしまうこともあります。そんな時は、「あの人の言っていることは本当にそうか?」「自分の家でも同じことをするべきか?」など、自分自身に問いかけてみましょう。そうすることで、友人の意見を客観的に見直し、自分の立場をはっきりさせることができます。

距離を置けるなら、一時的に離れてみる

上手くいかない時は、心の平穏を保つために、その友人との距離を置くのも一つの方法です。一時的に連絡を絶つ、あるいは「忙しいから」といった理由をつけて直接会う機会を減らすのがポイントです。そうすることで、冷静になり、客観的に考える時間ができ、どう対処すべきかのアイデアが浮かぶかもしれません。

パート3:親子や兄弟間の場合

お互いを一人の人間として接する

子どもが言うことを聞かない、年配の両親が頑固で理解し合えない、兄弟からの干渉が過剰…親子や兄弟間でも、血のつながりや親しさゆえにイラッとすることがあります。そんな時は、次のことを考えてみてください。親、子、兄弟は自分にとってどんな存在か。もし彼らが他人だったら、その行動は不快なものかどうか。そう考えることで、今抱いている感情が妥当なものなのか、それとも不当なものなのかを見極めることができます。

リラックスする方法を見つける

親子や兄弟間でのすれ違いは、物事への取り組み方に対する温度差を感じることがあるかもしれません。自分は一生懸命なのに、相手がそれほど真剣でないように見えたら、イライラすることもあります。相手に伝えれば伝えるほど、その感情は強くなります。しかし、そうならないように「リラックスする方法」を見つけてみましょう。子どもが従わないなら、叱るのではなく、自発的に行動したくなるような環境を整える。両親が頑固なら、反対するのではなく、安心してもらえるような言葉をかける。時間はかかるかもしれませんが、コツコツと取り組めば徐々に変化が見られるはずです。

素直な気持ちを伝える

一人の人間として接することができても、抑えきれない感情が湧き上がってくることがあるかもしれません。その場合は、気持ちを素直に伝えてみましょう。何が原因で傷ついたのか、何をどうしてほしいのかを伝えることで、相手も理解してくれるかもしれません。感情的にならずに冷静に話すことで、共感を得ることができるでしょう。身近な存在だからこそ、伝えることの重要性をもう一度考えてみてください。

パート4:職場の場合

経験と自信を活かして対処する

仕事でうまくいかなかったり、同僚の配慮のない行動に直面したり、上司に指摘されたりすると、職場でイライラすることがあります。職場では、それぞれが異なる背景や立場を持っています。こうした感情に対処するには、自分がこれまで積み上げてきた経験や知識に自信を持つことが重要です。

自信を持つことで、周りの動きや自分のミス、上司や部下の意見にも動じなくなり、持っている能力があなたを支えます。ただし、過剰な自信は周囲をイライラさせる原因になることもあるので、自分を冷静に見つめ、自分自身と向き合うことが大切です。経験と自信をバランス良く活用し、感情の管理に役立てましょう。

自分の意見を伝えたい時は、まず相手の話を聞こう

新入社員が業務の重要性を理解していない、上司が自分の話を聞いてくれない、取引先との連絡がスムーズでないなど、職場でのさまざまな問題はコミュニケーションの不足が原因であることが多いです。しかし、不満を抱え続けても解決には至りません。代わりに、相手の意見を聞く時間を設け、理解しようとすることが大切です。そうすることで、意識のズレがどこにあるかを把握し、効果的な伝え方を見つけることができるでしょう。

小さなことでも「ありがとう」と伝えてみる

同僚や顧客が時にあなたをイライラさせることがあっても、彼らは仕事を成し遂げるために欠かせない存在です。誰かのおかげで業務が進み、会社や自分自身の利益になっています。そのため、どんな小さなことでも「ありがとう」と言う習慣をつけてみましょう。常に感謝の気持ちを持つことで、イライラする感情は薄れ、同僚との関係も良好になるかもしれません。

まとめ:感情に振り回されずに冷静に対処しよう

感情が高ぶると、日常の些細なことでも心の平穏を乱し、イライラの原因になることがあります。そんな時は、一度立ち止まって心を落ち着け、いつもの自分を取り戻しましょう。冷静になってみると、気になっていたことが大した問題ではないと感じることもあるでしょう。

重要なポイントは次の通りです。

  • 夫婦・親子関係:相手の価値観を尊重し、期待を見直す。素直に気持ちを伝える。
  • 友人関係:友人の価値観を一歩引いて見る。距離を置くことができるなら、一時的に離れる。
  • 職場:経験と自信を活かして対処し、自分の意見を伝える前にまず相手の話を聞く。小さなことでも「ありがとう」と伝える。

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この記事を書いた人

カウンセリング、リーディング、ヒーリング
薬剤師(漢方・薬膳に精通)

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルド、感情などの心の問題に向き合うことで状況を克服。
今では心と感情の専門家として、サービス提供をしている。

ミッションは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻した人を増やすこと。

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