人を許す方法。自分も相手も解放して心を軽く自由になろう。

過去の出来事に思いをはせたり、些細な失敗に対して怒りを感じ、相手を否定的に捉えてしまうことはありませんか?感情に振り回されて、行動が制限されてしまうこともあるでしょう。しかし、正しい許し方を学べば、不快な状況から自分も相手も素早く解放される方法があります。心配はいりません、この記事でその方法を紹介します。

この記事の目次

許すための3つのステップ

1.ネガティブな感情とお別れ

まず、自分が感じる痛みや不快感を認め、「それはつらかったね、本当に苦しいね」と自分自身を慰めましょう。ですが、その感情にとらわれ続けると、精神的にも苦しくなります。許すことは、事実そのものを見つめ、伴うネガティブな感情から解放されることです。

2.執着を解放する

許せない気持ちは、何かに執着している状態です。過去を振り返り怒りに支配されたり、不快な出来事を何度も思い出すことは、精神的な縛りとなります。固執している部分から視点を変え、新しい視点を持つことが大切です。

3.精神的な困難を乗り越える

「許す」と聞くと、「事を忘れる」「相手の行為をなかったことにする」と思われがちですが、実際にはそう簡単にはいきません。苦しい状況から早く抜け出すためには、「心の整理=許す」と捉えると、スムーズに前に進むことができるでしょう。

自分も相手も軽やかになる「許しの方法」

ここでは、心に固執する気持ちをリフレッシュし、心新たに生活を送るためのアプローチを紹介します。ぜひ実践して、心の重さを取り除いてみましょう。

1.過去の考え方を手放す

自己基準での判断をやめる

「私ならもっと優しい言葉を使う」「私ならそのような行動はしない」と自分の価値観で相手を評価すると、意見の不一致が起こりやすくなります。人はそれぞれ異なる価値観を持っており、それが違うのは自然なことです。他人との意見が異なる時は、それぞれの価値観の違いを認めることが大切です。

即断即決の評価を控える

感情のコントロールには、すぐに物事を良いか悪いかで判断しないことが効果的です。この癖は心を疲れさせる原因にもなります。例えば、友人が自分の感情を理解してくれない時、「理解してくれないから悪い→怒る」という反応を避け、単に事実として受け止めるだけで、心の動揺は少なくなります。

相手のネガティブな面を一時的なものと見る

私たちは家族でさえ24時間ずっと一緒にいるわけではなく、他人との接触時間はそれよりもずっと短いものです。その限られた時間に感じた相手の不快な態度や発言は、その人の「全て」ではありません。相手の行動をその瞬間だけのものとして捉えれば、感じ方も変わってきます。もしかしたら、その時はただ疲れていたり、気分が悪かっただけかもしれません。完璧な人はいません。

相手からの謝罪を期待しない

傷ついた時に相手からの謝罪を期待するのは自然な反応ですが、謝罪を待っている間に「許せない」という感情が強くなることもあります。謝罪を期待せずにいることで、心がより自由になり、許しのプロセスがスムーズに進むことがあります。

2.未来の自分を育てるために視点を変える

自分自身のために許す

許せないという気持ちに支配されると、幸せな気持ちを感じにくくなり、人との関わりを避けがちになります。許すことは他人のためではなく、自分の精神的、身体的健康のためです。心の負担を少しでも軽くしてみませんか。

異なる価値観の魅力

かつて友人やパートナーとの関係が始まった時、相手の異なる価値観に魅力を感じたことを思い出してください。自分にはない特徴が魅力的だったはずです。時間が経過すると、同じ価値観を持つことを望むようになるのは、相手への信頼の深まりを意味します。

相手の立場を理解する

相手の状況を理解することができれば、「相手も大変な時を過ごしているのだろう」と気付くことができます。これにより、不快な感情も中立的なものに変わりやすくなります。過去を変えることはできませんが、その解釈を変えることは可能です。

ゴーレム効果を意識する

心理学者ローゼンタールによって明らかにされた「ゴーレム効果」は、期待が低いとその通りに行動する傾向があるとされます。相手に対する無意識の先入観が関係の進展を妨げ、居心地の悪い環境を生み出すことがあります。苦手な人に対してこの効果を意識し、見方を見直すことが有効です。

ポジティブな面を見つけて好感を持つ

何かが気に入らないと、その点だけが目についてしまうことがあります。しかし、相手の良い面や魅力を探す努力をしましょう。全てを好ましく思う必要はありませんが、少なくとも「嫌いではない」と感じることで、心がずっと軽くなります。相手への理解を深めることは、許しにつながる重要な一歩です。

3.感情をすぐにリセットする方法

心の中の「リセットボタン」

怒りが湧いた時、それを放っておくよりもすぐに対処することが大切です。心の中で「怒りを捨てる」というイメージを作り、想像上のゴミ箱にその怒りを投げ捨て、フタを閉めるのが一つの方法です。

感情に振り回されないための質問法

感情に支配されずに済むためには、感情自体から距離を置くことが役立ちます。次のステップで自分自身に質問してみて、感情を客観的に見つめなおしましょう。

①まず、「どうしてこの感情が湧いているのか?」と自分に問いかけます。
《感情の特定》
・上司の言動が怒りを呼ぶ
・友達の言葉にイライラする

②次に、「この感情を持つ自分をどう見るか?」とさらに考えを深めます。
《距離を置く》
・怒っている自分を見ると、その大変さに気づく
・イライラするのは理解できるけれど、少し休んでみたらどうだろう

③最後に、自分を慰めて落ち着かせる言葉をかけます。
《自己慰撫》
・大丈夫だよ、うまくいくさ
・確かに腹立たしいね、でも落ち着いて

「ジャーナリング」で感情を整理

許しを実践する上で、ネガティブな感情を手放すことは非常に重要です。この目的のために「ジャーナリング」、つまり書くことによる瞑想が効果的です。この方法は、自分の考えを紙に書き出すだけのシンプルなプロセスで、ペンと紙があればすぐに始められます。

【ジャーナリングの手順】
①テーマを決める
②決めた時間だけ書き続ける(たとえ5分の短い時間でも)
③書き終わったら、その内容を振り返る

【ジャーナリングの効果】
・否定的な感情を増幅させずに済む
・心配事や問題を整理するのが容易になる
・自分自身の行動や思考を客観的に観察することができる
・ストレスの解消に役立つなど

4.心を軽くする言葉たち

「まあいいか」という受容

どうしようもない状況に対して「まあいいか」と言うだけで、問題が意外と受け入れやすくなります。この言葉には、上手く行かないことを健康的に受け止める意味が込められており、心が軽くなる効果があります。特に悩みやすい人には、このフレーズを積極的に使うことを推奨します。

「それも一つの意見だね」

自分の意見と異なる見解に「それも一つの意見だね」と柔軟に対応することで、ストレスを溜めずに済み、スムーズに会話を進めることができます。このアプローチは相手を不快にさせず、対話の行き詰まりを防ぐのに役立ちます。

価値観の多様性を尊重する

不満や怒りは、時に相手への過剰な反応から生じることがあります。個々人が持つ異なる価値観を「人それぞれ」と理解することで、不必要な批判や過度の賛同を避け、平穏を保つことができます。

5.複雑な関係性の対処法

非攻撃的な「私」からの発言

対立が避けられない場面では、自分の感情を正直に伝えることが解決への第一歩となります。ここで大切なのは、言葉を「私」から始めることです。「あなたは私を無視している」と非難するのではなく、「私は無視されていると感じています」と表現することで、より建設的な対話が可能になります。感情に流されず、冷静に話しましょう。

自然な態度で接する

関係がギクシャクしている時も、ありのままの自分で接することが重要です。自然な態度を保つことで、相手もリラックスしやすくなり、お互いの緊張がほぐれます。自然体でいることが、徐々に心を柔らかくし、関係の改善に繋がることもあります。

適切な距離感の調整

場合によっては、相手との距離を適切に調整することが求められます。適切な距離を保つことで、感情を冷静に整理しやすくなり、関係の修復がスムーズに進むことがあります。距離を置くことが必ずしも関係の終焉を意味するわけではなく、お互いの価値を再評価する機会にもなります。

許すことで得られる自由

他人を許すことは、感情的な重荷を解放する行為です。ネガティブな感情を手放すことができれば、心に余裕が生まれ、より自由に生活を楽しむことが可能になります。このガイドが皆さんの新しいスタートを支える手助けとなれば幸いです。

主なポイントは次の通りです。

  • 「私」から始める非攻撃的な言葉遣い:建設的な対話を促進。
  • 自然な態度で関わる:緊張を和らげ、リラックスを促す。
  • 適切な距離感の調整:感情を整理し、関係を修復。
  • ジャーナリングで感情整理:自己反省とストレス解消。
  • 肯定的なフレーズの使用:「まあいいか」でストレス減。

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この記事を書いた人

感情カウンセリング
ヒーリング&リーディング
漢方薬剤師

大学卒業後、製薬会社の学術部で社員教育と医療関係者への情報提供に携わり、その後、整形外科病院で薬剤師として勤務、退職。
現在は、もっと元気にもっと自由になりたい方向けに感情カウンセリングを提供している。

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルド、感情などの心の問題に向き合うことで状況を克服。
今では笑顔を取り戻し、日々軽やかに過ごしている。

セッションでは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻していただけるように心掛けている。

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